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幸せなキャラメル感~Brazil Caramelado Pulped Natural~

優しい甘味が冷めてもなお続く、ブラジルのキャラメラード。
その名の通り、キャラメルのような甘さを持つ豆です。
他の南米のコーヒー生産国と比較して標高が高くない農園が多いブラジルの豆は、総じて飲みやすい印象なのですが、標高が高いところで栽培されるコーヒーのようなきれいな酸やフレーバーなどは出しにくいという点も持ち合わせています。栽培環境的に個性を作るのが難しい面はありますが、ブラジルだから出せる味わいがあるのも然り。この優しみはまさにその長所の現れです。

酸はびわのように柔らかく、甘さはキャラメルを連想。そこに、デラウェア、チョコレート、ラムネ、ローリエといった、一見まとまりのないように感じる香りが丁寧に重なって、何とも言えないお菓子感を醸し出しています。
この記事を書くためにカッピングをしながら、仕事を忘れて幸せな気分になってしまったくらい、甘味の層に魅せられます。記憶のどこかにそっと触れてくるような、安心感のある味わいです。

Brazil Caramelado Pulped Natural
〈地域〉ミナスジェライス州マッタス・デ・ミナス地域
〈品種〉※主にムンドノーボ、又はカツアイ
〈標高〉870m~1000m
〈精製方法〉パルプドナチュラル
〈テイスティングノート〉びわ、キャラメル、ラムネ、デラウェア、チョコレート、ローリエ

この豆の特徴を余さず出すために、当店では、
・焦げ味が出ないように焙煎し(焦がさない焙煎)
・焙煎直後から耐圧容器内で圧をかけて保存する(加圧熟成)
ことで、さらにまろやかな味が持続することを目指しています。
味の定着には、焙煎してから1週間もしくはそれ以上、二酸化炭素で圧をかけて酸素に触れない環境下(ビール樽内やビール瓶内など)でコンディショニングを行います。
これで、様々なコーヒーの持ち味が、バラバラではなく角がとれてまろやかにまとまります。
そして、樽から出した後も、空気が触れないような容器の中であれば、さらに味は良いほうへ変化していきます。
お客様のお手元で、是非コーヒーの成長をお楽しみいただければと思います。
当店のコーヒーは、沸騰直後のアツアツのお湯で淹れることを推奨しています。
焙煎による苦味がないので、お湯の温度を下げる必要がなく、逆に高い温度で淹れることで豆が持っている個性がはっきりと出ます。
ペーパーフィルターで淹れて、すっきりとしたフレーバーを楽しむのも良いですが、コーヒー豆のオイルも一緒に抽出されるフレンチプレスのような淹れ方も、甘味が余すところなく出てオススメです。


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