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終わらない優しさ ~Rwanda Sky Hill~

〈2022.12.2 加筆〉

松本市内の3軒のコーヒー焙煎店で「A FILM ABOUT COFFEE」という映画の上映会を行ったときに、コーヒーの味わいが焙煎で変わることを体験をしていただこうと、この豆を3軒それぞれが焼いて3杯それぞれを飲み比べてもらうイベントを行いました。
その時いただいた感想はどれも、その違いに驚かれたことが書かれていました。

焙煎違いの飲み比べにこの豆を選んだ理由は、映画の中でルワンダのことを紹介していたこともあったのですが、きれいな優しい味わいのこの豆が焙煎士の手で違う面を見せることで、コーヒーに関わる”人”の面を感じていただけたら、と思ったからでもありました。

このスカイヒルという豆、名前の通り青空が広がるような印象のコーヒーです。
袋や瓶を開けた時に熟成したフルーツのような華やかな香りが広がるのですが、淹れると液体のやわらかさ、ごくごくと飲めるすっきりさ、口の中に”心地よさ”を感じて、ずっと飲み続けたくなるような味わいにほっこりします。

Rwanda Sky Hill washed
〈地域〉ルワンダ ニャマシェケ地区 コロプカウォッシングステーション
〈品種〉ブルボン
〈標高〉1,700~1,900m
〈精製方法〉ウォッシュト
〈テイスティングノート〉
あんず、ベリー、みかん、干し柿、りんご、紅茶、レーズン、シナモン

ルワンダというと、1990年代の内戦と大虐殺という悲しい歴史を背負ってしまった国ですが、そこから今日までの大変身は「アフリカの奇跡」と言われています。
カンボジアでもグアテマラでも、内戦を経験した方から聞くお話は「許し」を自分が受け入れられるかどうかが、より良い未来への肝でした。
人の悲しい部分も美しい部分も、極端に見せられるのが戦争。
ルワンダの復興は私が触ることのできない深い傷と許しの上にあるのだろう、と思いを馳せ、悲しみと対局にあるようなこの”気持ちの良い”スカイヒルをいただきながら、穏やかな気持ち、優しい気持ち、温かい気持ち、それらの良い気持ちで満たされていく日が来ることを願います。

この豆の優しい特徴を余さず出すために、当店では、
・焦げ味が出ないように焙煎し(焦がさない焙煎)
・焙煎直後から耐圧容器内で圧をかけて保存する(加圧熟成)
ことで、さらにまろやかな味が持続することを目指しています。

味の定着には、焙煎してから1週間もしくはそれ以上、二酸化炭素で圧をかけて酸素に触れない環境下(ビール樽内やビール瓶内など)でコンディショニングを行います。
これで、様々なコーヒーの持ち味が、バラバラではなく角がとれてまろやかにまとまります。
そして、樽から出した後も、空気が触れないような容器の中であれば、さらに味は良いほうへ変化していきます。
お客様のお手元で、是非コーヒーの成長をお楽しみいただければと思います。

当店のコーヒーは、沸騰直後のアツアツのお湯で淹れることを推奨しています。
焙煎による苦味がないので、お湯の温度を下げる必要がなく、逆に高い温度で淹れることで豆が持っている個性がはっきりと出ます。
ペーパーフィルターで淹れて、すっきりとしたフレーバーを楽しむのも良いですが、コーヒー豆のオイルも一緒に抽出されるフレンチプレスのような淹れ方も、甘味が余すところなく出てオススメです。


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