希少な豆の重層的な美味しさ~Brazil Cafe Vinho Peaberry Natural~
コーヒー豆は、豆ではなくコーヒーの実の種子です。
果物の種なのだから、と知ると、コーヒーに「フルーティー」という表現があるのもうなずけますね。
コーヒーの種子は通常、二つの種子が向かい合って殻の中に納まっています。1つの実から2つの種子(豆)が採れるのです。
ところが、5%未満の割合で、1つしか種子がない実が生まれます。片方の種子がなんらかの理由で死んでしまい、もう片方だけが育った結果、殻の中で1つが丸々と育ち「ピーベリー」と呼ばれるコロコロとした豆になります。2つ分の栄養が1つに詰まっているので、ピーベリーは甘味が強いとか風味が良いという説もありますが、この豆に関していえば甘味も風味も存分にある味わいです。
ブラジル カフェ ヴィーニョ ピーベリーは、熟した果物のような香りを持つピーベリーのナチュラルです。ブラジルの豆の一般的に「飲みやすい」印象がありますが、「個性が強くない」という印象でもあると言えます。このカフェヴィーニョは、発酵による風味が引き出され、重層的に花や果物、赤ワインやバルサミコなどの風味があり、ついついフレーバーを追いかけてしまうような味わいがあります。また、開封後酸素に触れてから、ストロベリーのようなフレーバーがあがってきて、豊かな表情を見せてくれます。
その味わいを出すために、当店では、
・焦げ味が出ないように焙煎し(焦がさない焙煎)
・焙煎直後から耐圧容器内で圧をかけて保存する(加圧熟成)
ことで、さらにまろやかな味が持続することを目指しています。
味の定着には、焙煎してから1週間もしくはそれ以上、二酸化炭素で圧をかけて酸素に触れない環境下(ビール樽内やビール瓶内など)でコンディショニングを行います。
これで、様々なコーヒーの持ち味が、バラバラではなく角がとれてまろやかにまとまります。
そして、樽から出した後も、空気が触れないような容器の中であれば、さらに味は良いほうへ変化していきます。
お客様のお手元で、是非コーヒーの成長をお楽しみいただければと思います。
当店のコーヒーは、沸騰直後のアツアツのお湯で淹れることを推奨しています。
焙煎による苦味がないので、お湯の温度を下げる必要がなく、逆に高い温度で淹れることで豆が持っている個性がはっきりと出ます。
ペーパーフィルターで淹れて、すっきりとしたフレーバーを楽しむのも良いですが、コーヒー豆のオイルも一緒に抽出されるフレンチプレスのような淹れ方も、甘味が余すところなく出てオススメです。