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2.14事件
前回、クリスマスのお話を書いた。
今回は、少し早いが、バレンタインの思い出を書こうと思う。
バレンタインといえば、チョコレートだ。
高校2年のバレンタインの日、友達のアパートでバレンタインのチョコレートのお菓子作りを4人でしていた。
バレンタイン当日にチョコレート作りをしているなんて、友チョコか?と思われたかもしれないが、私が高校生の時に、そのような言葉はなかった。
いや、都会にはあったのかもしれないが、うちの田舎では聞いたことがなかった。
なので、自分たちが食べるために作ったわけではない。
たまたま、土曜日がバレンタインだったので、その日の午後作ることにしたのだ、と思う。
自信はないが…。
友達3人には彼氏がいた。
なので、友達たちは彼氏のために作っていたのだ。
私は…ついでだ。
楽しそうだから、共に作った。
共チョコだ。
チョコを溶かしたり、固めたりラッピングしたり、おしゃべりをしながら作っていたので、まぁまぁ時間がかかった。
楽しい時間はあっという間だ。
気づくと、6時50分の終バスの時間、ギリギリだった。
友達のアパートからバス停まで走った。
バレンタインなのに、雪は少なく走れた。
そして私は、工事中の穴にストンと落ちた。
友達のアパートからバス停までの道は街灯もなかった。
暗い中走っていたので、穴が空いていることに気づかず落ちた。
道路の端を走っていた友達は無事だった。
穴といっても深くはない。
2.30センチくらいに掘られた穴が2.3メートルの距離掘られていたのだ。
普通に歩いていたら段差に気をつけながら歩ける感じだ。
走っていたため、私の足は空を飛び、そこにあるはずの地面に足をつけられず、バランスを崩し、転んだのだ。
隣で走っていた友達は「あ‼️ららみぃたんが消えた‼️」と思ったという。
自分の視界から、突如友達が消える恐怖を味わったと、のちに話してくれた。
そして、立ち上がった私の目の前をバスが通り過ぎて行った。
「あれはバス…」と言った私のセリフをしばらくの間、友達たちに笑われた。
さて。
最終のバスを穴の中から見送ってしまった私。
どうするかだ。
父に迎えに来てもらうことが出来ない状況だった。
それは、父が出稼ぎに行っていて不在だったからなのか、もう飲んでいたからなのか、ちょっと定かではない。
とにかく、最終バスを乗り過ごしてしまい、迎えにも来てもらえず、どうやって帰るか、私ともう1人の友達と困っていた。
歩いて帰るには、無謀すぎる。
距離としては7、8キロくらいかもしれないが、山道で街灯もない。
山を1つか2つ超えなければならないのだ。
タクシーで帰れるほど、うちの家庭は裕福ではない。
リアル『チキンライス』だ。
あのくらい貧乏だったんだ、自慢くらいさせてくれと、ダウンタウンのまっちゃんが言っている。
そのセリフを私も声を大にして言いたいくらいだ。
最後は笑いに変えるから。
さて、ここで、私の運の良さが垣間見れる。
1人の友達の彼氏は社会人で、車を持っていたのだ。
しかもいつももっと遅くに帰ってくるのに、たまたま7時に帰ってきたのだ。
しかもしかも、その友達の彼氏は、何とチョコ作りをした友達のアパートと同じアパートなのだ。
何と私は運がいいのだろうか。
…運が良ければ穴に落ちたり、最終バスに乗り遅れたりしない?
ままま、そんなことはさておき。
友達の彼氏に乗せられて無事帰ることができた。
そして案の定、親から怒られた。
「バレンタインに、最終バスに遅れるなんて、楽しそうだこと」という嫌味つきだ。
こうして、バレンタインの日は、擦りむいた血だらけの膝と共に終わった。
ここで、ドラマなら「これはまだ序章に過ぎなかった…」というナレーションが流れるのかもしれない。
バレンタインに起きた事件は、まだあるのだった。
それは、私にも彼氏がいたバレンタインの日だ。
のちに今のダンナとなるのだが、付き合って4年になろうとしていたバレンタインの日だった。
ご飯を食べに行こうと、私の車でどこか食堂へ向かっていた。
その途中、事故った。
珍しく道路に雪のない2月14日だ。
なのに、事故った。
こちらが優先道路。
右から来た車が、一時停止を無視して私の車に突撃してきた。
ぶつけられ、私の車は、ボンネットは潰れ、進行方向と逆を向いていた。
ここでまた私の運の良さが光る。
もう少し突き飛ばされていたら、田んぼに落ち、車はひっくり返りもっと大変なことになっていたであろう。
ギリギリセーフで、田んぼに落ちず、止まってくれた。
だから、運が良かったら事故らないでしょというツッコミは聞こえない。
バレンタインの日に事故り、食堂へ行くはずが、交番へ行った。
その後、少し首が痛い気がして、夜間救急へ向かった。
大したことはなかった。
ここであることに気づく。
私の所持金が少なかったのだ。
その時の彼氏、のちのダンナもだ。
車が動かなくなり、病院からの帰り道のお金がなかった。
いや、それどころか、救急病院へ行った支払いのお金も足りない。
食事に行く途中で、お金を下ろそうと思っていたので、所持金が少なかったのだ。
その日はバレンタインだ。
私の友達はみな、彼氏と一緒だ。
しかもほとんどの友達が、その時、車を持っていなかった。
迎えに来てとも言えなかった。
仕方なく、彼女がいないであろう、彼の友達を呼び、迎えに来てもらい、送ってもらうことにした。
その彼にお金を借り、病院の支払いをし、その後3人でラーメンか何かを共にした。
非常に気まずいバレンタインの思い出。
首の痛さと恥ずかしさでいっぱいだった。
これを私は、2.14事件と呼んでいる。
大した事件ではないけれど。
結婚して、子供が産まれてからは、さほどバレンタインに意気込みはなくなった。
あ、付き合っている時もほぼなかったが…。
少し高めのチョコを買ってダンナに渡したら「うーん…。普通のチョコがいい…」と言われたので、張り切っていいやつを買うことをやめた。
やめたら、友達ママが、なぜかうちのダンナにチョコを買って持ってきたことがあった。
ダンナは喜んだ。
私が渡したら喜ばないくせに、喜んだ。
その年は、チョコを買っていなかった。
なんてこった。
仕方なく、たまたま保険屋さんからもらったチョコをダンナにあげることにした。
そしたら、なぜかその時に限ってダンナは喜んだ。
私の心が罪悪感でいっぱいになった。
『ニッセイ』の文字を剥がそうかと思っていたが、私の良心がそれを拒んだ。
なので正直に「それ、保険屋さんからもらったやつ…」と、申し訳なさそうに言った。
すると、ダンナはガッカリしていた。
なんなんだ…。
ホントに気の合わない私たちだ。
いいやつをあげた時はそっけなく、用意してない時に限り欲しがる。
素敵な間柄だ。
需要と供給がうまい具合に成立していない。
さて、取り止めのない話になってきた。
オチが見つからない。
長くなってきたので、この辺でやめよう。
大雪の大晦日編もあるが、それはまた、のちほど。
最後まで読んでいただきありがとうございます😊
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あの時のケガも親に怒られた記憶も皆さんの『スキ』によって、良い思い出となり、浄化していきます。
本当にありがとうございます。
幸せをありがとうございます😊
メリーメリークリスマス🎄