正直、創作に嫌気がした人へ
頭や理屈で判っていても、
心が受け入れないときがある。
なんの慰めにもならないけど、
気分が換気できればと思い、書いてみる。
わたしはコロナ禍にある頃、
二軒のクラブから雇われママとしてスカウトされた。理由は聞いてない。聞いても忘れた。
その頃は皆さまもご存知のように、飲食店は大打撃に遭う最中。
「いつまでも世間は閉じてない。
やがて再開する日が来るので、そのときにお願いしたい」とのことだった。
雇われが付いても、ママ。
一体どんな仕事で、なにを、と実社会をリサーチするも、耳にするのはキャバ嬢の話で参考にならなかった。
キャバ嬢も銀座や六本木、歌舞伎町や渋谷には採用する基準があり、身長や体重制限があるなど客層に合わせて厳しい世界だと知った。
noteで開催されたコンテストに落選して、
なぜかこれらが頭に浮かんだ。
水商売で生計を立てる気がない人間から言わせると、正直、キャバ嬢の凄さが分からない。
皆、似たようなオネエチャンが居て、
どの子も遜色ないほど可愛らしい。
接客してもらうと差はあるだろうが、
「まあ、こんなもんなんだろうな」程度。
モノを書いても当落がある。
歓喜の記事や悲壮感のある記事。
しかし文芸に興味がない人間から言わせたら、
キャバ嬢を選ぶ基準と変わらない。
そこに関心がない人には、「へぇ」でしかない。
受験や学歴に関心あるから
「オックスフォード! おお」
「スタンフォード! おお」
関心がない人からは
「学歴はもういいから、さっさと動けよ」
西村博之がいう
「それはあなたの感想ですよね」
社会は主観と別の主観があり、
小さな世界でどんなに凄かろうが結局は人柄で、
社会の構成員としてまともな人なら、それでいい。
どのみち主観なのだから、
主観ありきの当落に心を曇らせず、
あなたが好きだという人の言葉を栄養にして、
感性を蒸発させないよう、笑っていてほしい。
わたし達が生きる社会は常に変化している。
特に天災やコロナ禍は価値観や人間関係に大きな影響を与えた。
人とのつながりが制限される中で自分自身と向き合う時間を強いられ、孤独を抱え、何が本当に大切なのかを考える機会が増えたのではないか。
作家としての道はただ文章を書くのではなく、
心の奥深くにある感情や思考を言葉にすることでもある。
コンテストに挑戦し、他者の評価や基準にさらされることは避けられない。
しかし一方で、自身の表現を磨く貴重な機会でもある。あなたが書いた創作が好きだという人も現れる。
執筆を通じ、さまざまな人々の物語を紡ぎ、
登場人物の喜びや悲しみを共有する。
ときには自分自身の感情も揺さぶられ、共感や理解を深める場合もある。
書く機会に触れるとは、自分の存在意義を再確認し、創作への情熱を新たにするのではないか。
作家の世界には厳しい現実も存在する。
競争が激しい中で、どのように自分の声を見つけ、他者と差別化するかが求められる。
受賞の期待や評価に押しつぶされそうになることもあるし、自信作が落選するなど次回へプレッシャーになるも、自分の軸を持つことが大切だよ。
今期、最初のコンテストに落ちてしまい、
気分が滅入っていた。
気持ちを整理しようといつものタリーズへ行った。
カフェでは夏休みが明け、周りには楽しそうに話している主婦の笑い声が響いて、
わたしの心はお通夜だった。
自分だけが取り残されているような孤独が増し、人々の楽しそうな会話が、自分とは無関係な世界のように感じられた。
心が沈んだ間に、わたしは自分の感情や思考に向き合い、創作の意味について考えていた。
ふと思い出したのは、精神科の主治医との会話で先生はいつも創作活動がどれほどわたしに大切かを教えてくれる。
「自分の感情を表現することは、心を癒す一歩になる」と言ってくれた言葉がどこからかする。
孤独を感じながらもわたしはスマホを取り出し、自分の思いを書き始めた。
落選の悔しさや孤独を言葉にして書くことで、
少しずつ気分が前を向く。
周りの人々の笑い声は遠くに感じられたが、
それでも自分の感性を大切にするのが、
次の一歩に繋がるのではないかと思い直す。
周囲に流されず、自分が何を伝えたいのかを考えるのは、結果的には良い作品を生み出し、同じ志しがある人との関係を彩り豊かにするのだと思う。
自分が選ぶ道は、
他人の評価や基準に左右されるもんじゃないよ。
創作大賞の中間が発表されたときには、
気持ちが醒めていた。
PCの前でコーヒーを片手に読む編集者へ、
ネズミになりきろうと雲梯や雑木林を歩いたわたしの経験が分かるわけない。
その代わり、著名人のプライバシーを暴き、
生き血を飯の種にする気持ちも分からないが。
自分が何を大切にしたいのか、
どのように生きたいのかを考えることが、
最終的には自分自身を満たすことに繋がる。
だからこそ自分の好きなことへ興味を持ち続け、
その感性を大切にしてほしいと願っている。
どんなに小さな世界でも、
そこには無限の可能性が広がっている。
自分の感性を信じて、笑顔を忘れずにね。
手探りで前に進んでいけば、きっと
素晴らしい経験や出会いが待っていると思うよ。
なんの慰めにもならないけどさ。
ごめんね。