風が強く事象を重ねてみる
外は雨が止み、風が強い
家の中で風の音が聞こえる
台風を彷彿させる音に似て
今年は台風の少なさを振り返る
アスファルトに落ち葉が踏まれて
プリントされていた
落ち葉から、まだらにアスファルトが覗く
わたしはこうやって他者を傷つけていると感じる
他者をアスファルトに例えると
落ち葉はただの汚れにしかならず
鬱陶しいだけだろう
落ち葉のわたしは穴ボコだらけで
「傷ついた」と叫ぶが、叫びたいのはアスファルト
貨物列車が行き交う光景を眺める
頭上の嵐も早く過ぎれば良いのにね
寒風に、思わず袖を引っ張り
手を隠す
風や寒さから身を守る
わたしはそんなことを見もせずにいた
寒風のように謝ることを知らない、わたしの愚かさ
漸く薄い雲から太陽が透け
「もうすぐ晴れる」と教えてくれる
雨雲の塊は縁を黄金にして、気流に乗り東へ向かう
安心してね
あなたの気持ちにも、きっと陽は射す
待てば海路の日和あり
動かなくても、平等にひかりを当てるわ