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 地球さんは自転と公転を続けていた。
紺碧の姿を保ちながら、時折、近づく彗星のことが気になって仕方がなかった。

「地平線から飛行機が、
水平線から船が落ちそうだ」

地球さんはため息をついた。

「どんなに批判されても、
それでも私はまがっているんだよ」

 地球さんの大気は、時折荒れ狂うこともあった。だが、しっかりとオゾン層で守られていた。

「どれだけ嫌がらせされようと、私はガッツリ守られているんだから」誇らしげに言い放つ。

 地球さんは周囲の惑星たちに向けて、こう訴えかけた。

「私を見習いなさいよ。
どんなに厳しい状況でも、
自分のスタイルを貫くことが大切なんだよ!」

 地上にいる人間が空を見上げた。
地球さんは素知らぬ顔で、また自転を続ける。

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#たはらかにさん