かつて天才だった俺たちへ
三葉亭くん、筆は進んでいるか。
変わりはないか。
キミのno+eを読みました。
先日、姫が店の子へ八つ当たりしてね。
早い話、客がホストへ鬱憤晴らしだ。
考えさせられる気づきを得ました。
俺は大学在学中から今日までホストをやり、
一見でやって来る女の子達とも卒なく対話ができているつもりなんだ。
若いホスト達も永遠に水商売を生業にするのではなく、それぞれ目的があって働いている。
この環境にいるせいなのか、水商売をやっている人を
「この人は無学だからキャバ嬢だ」
「あの人はホモセクシャルだからゲイバーしか働けない」と思っていなくてね。
三葉亭くんもそうだろう?
難関国立大の院卒でも牛丼屋で働いている。
キミも俺もかつて神童だと言われながら義務教育へ終止符を打った類いだと思う。
俺はそうだ。高校へ入学するまでは天狗だった。
偏差値72の公立高では、俺より遥かにデキのよい連中が東大や医学部を目指し、現役合格していた。
俺はと言えば、早慶が不安でMARCHに進学した。
高校では成績が悪いし、早く上京したかった。
何が言いたいかといえば、
俺たちの働くとは、手段で目的ではない。
作家になるための目的があり、働くのは食い扶持という手段だ。
こういったのは、多角的視野。
視点・視座・視野の問題かもしれない。
先日の話に戻そう。
初めて来店した女の子(姫)が、
のっけから店の子(ホスト)を侮辱してね。
二言目には
「あなたたちのようなバカはメンサに入れないが、私はギフテッドだから」
「あえて空気を読まないのは天才だから」
ホストは誰とでも仲良くなり、協調性があるのはバカの証と、散々な言われ具合で苦笑するしかなかったんですよ。
ギフテッドは孤高のイメージがありますからね。
IQが高い=頭が良いと単純に言い切ってしまっていいものかと姫の話を聞いて感じたのですよ。
何を持って頭が良いと判断するのか考えました。
他人と話が噛み合わない不遇だった時代を、
アインシュタインの逸話を持ち出し
「自分はIQが高かったから馴染めなかったんだ。
人と仲良くできないのは周りより賢かったから」のように思っているのかもしれません。
しかし、それは本当なのだろうかと思います。
先日来店した姫にしろ、
協調性は頭の良さには入らないようですが、
その辺の社会性などはどう評価されるのか、今も天才だと思う人たちの視野には入らないようです。
本当に頭が良い人は、1つの物事を具体的に応用が利く人。得意な分野が違うので、頭の良さも人それぞれでIQの高低も、ただの一つの定義だと思います。
頭が良いかどうかは、頭の使い方次第で、
頭を上手に使うスキルがある=実際使ってる
→頭が良いという考え方もできます。
頭が良い人が指標とするアインシュタインはオールマイティではなかったように、
・自分はどの分野が得意で
・どの分野が苦手なのか
を、探っていき、
得意な分野が見つかれば有能だとも考えられます。
店の子と姫の会話を聞きながら、
能力の低い人ほど自己評価が高く、実力者ほど自らの能力に疑いを持つのではないかと仮説が立てられます。
実際にその姫の話が耳に入った別の姫が
「そんなに自信があるのなら、ホストへバカだの言わずに自分の専門ぐらい楽しく語れないのかしら?
語るに落ちるのかもしれないけど」
別の姫は、東大医学部を卒業した現役医師。
先日の姫のように公共の場で他人を蹴落とす時点で、思考停止して自分を顧みない人は頭が悪いと、
チラッと思いました。
三葉亭くん、〇〇と天才は紙一重というのはやはり本当なのでしょうね。
2024.11.24 神宮寺凌 拝
#Creepy Nuts