なるだけ距離を置きたいと思う知人から電話があり
苗字だけ見て確認せずに、受けてしまった
知人は元取引先の人で、歳上ということもあり
“No”が言いづらかった
わたしのためだと、自分の価値観を押しつけて
見返りを求めてくる癖がある
案の定、ご自分の近況から始まり
わたしは聞き役だった
それは良いとして
わたしに話を振ってきた
「お陰様でぼちぼちやっております」
答えた瞬間から、矢が飛んできた
「普通は〜」「常識は〜」「みんなが〜」「…べき」
そして決めセリフの
「ももまろちゃんのために言ってあげてる」
だから、電話に出たくなかった
時代錯誤な話を聞き流したとして
見返りを求めてくる
いつもの自分と違ったのは
「もう、この人は取引先じゃない」
ひと呼吸おいて
「恐れ入りますが、わたしは私の価値観に沿って
医師の指導の下、生活しております
価値観の押しつけはわたしの意ではありません
大変、有り難いご指導は
御令嬢に言って差し上げてください」
あ…言えちゃった
知人から「はあ?」って声が漏れたけど
「わたし、仕事辞めちゃってるんで」
あ…言えちゃった