エッセイ・ 珈琲と異性の相性
珈琲と異性の相性は比例して
味覚が似ている人とは感性がシンクロする
付き合う前から、なんとなく分かる
分かりながら、付き合ってみる
味覚、手を繋いだ時にしっくりくるか
相手の体臭
たった3つしかないポイントで、先が読める
珈琲にどれくらいのミルクと砂糖を入れるか
素知らぬ顔で観察し
「この人とはないな」
自分の心に入れない準備をして、付き合う
彼氏がいるだけで体裁は整い、それで充分
なんとなく合わないが続くと
煮詰めたマンデリンを飲むような
苦くて重い、嘘をついている感覚に陥る
嫌いではないが、無関心で会話の内容すら忘れ
言葉が痩せ細る
多様性を面白がれない常識的な発言へ
「さて、逃げ出そう」気持ちが整理された
『同族嫌悪』の言葉がある
わたしにとって、異性は『同気相求』であり
同類の中に、自分と違う部分を見つけて
同じことを試してみる面白さがある
欠点までもが愛おしいと受け入れてしまうのは
スタバやタリーズなど、濃い目のコーヒーを
身体へのリスクを考えず
常用するようなものかもしれない
「珈琲と異性の相性は一致する」
わたしが出会った中で、たった一人だけ
わたしより先に言われてしまったことがある
理由を口に出せず、しょげているわたしへ
「何があっても逃げない。心配すんな」
コーヒーを飲んで来いと
スタバの電子マネーが送られてきた