ブラッドリー・クーパーの今〜「マエストロ:その音楽と愛と」
ハワイ旅行中、「ハングオーバー!」の次に観ようと思っていた映画が、「マエストロ:その音楽と愛と」(2023年〜Netflixで配信中)。意図したわけではないのだが、ブラッドリー・クーパーが続くことになった。
Wikipediaによると、ブラッドリー・クーパーは、昨日書いた「ハングオーバー!」(2009年)でブレイクしたとされる。その後、着実にキャリアを積み重ねた彼の今が「マエストロ」である。本作では、監督・脚本・プロデューサーそして主演を兼ね、アカデミー賞では作品賞・脚本賞・主演男優賞・主演女優賞など7部門で候補に上がっている。
ブラッドリー・クーパーが演じるのは、アメリカ人音楽家のレナード・バーンスタイン、先日逝去した小澤征爾が師事した人。彼とその妻で女優のフェリシア・モンテアレグレの物語が、映画の題材である。バーンスタインは、ブルーノ・ワルターの代役として急遽ニューヨーク・フィルの指揮し、世に出ることになる。映画はそうしたエピソードから始まる。
バーンスタインは指揮者としての側面のみならず、作曲家としてまた指導者としてマルチな活躍をする。ミュージカル「オン・ザ・タウン」「ウエスト・サイド・ストーリー」、そして交響曲や「ミサ曲」などなど。
私生活ではバイセクシュアル、LGBTQの“B“であり、妻フェリシアもそれを認知している。また、彼らの間には3人の子供が生まれる。
バーンスタインの愛情は、音楽においても対人間においても、常人には想像がつかないような広がりがある。フェリシアは、それを受けとめて彼を支えるのは自分しかいないと考える。それは、一体どのような世界を生み出すのだろうか。
フェリシアを演じるのは、キャリー・マリガン。「プロミシング・ヤング・ウーマン」(2020年)の主演女優である。彼女が良い。フェリシアという視点が、この映画の重要なポイントだと思う。
ブラッドリー・クーパー、特殊メイクを施しバーンスタイン役を、本人が憑依しているかの如く演じる。指揮姿も素晴らしい。
振付師のジェローム・ロビンス、作曲家のアーロン・コープランドなどの芸術家が登場するシーンは、当時の空気を再現してくれる。
余談だが、バーンスタイン、フェリシア、コープランドと、バーンスタインの指揮の師匠クーセヴィツキー夫妻らがテラスで食事をするシーンがある。その手前で、バーンスタインはクーセヴィツキーに、ふエリシアは「クラウディオ・アラウのパーティーで出会ったんだ」と話す。
アラウはチリ出身のピアニスト。長女のピアノの師匠はアラウの弟子なので、彼女はアラウの孫弟子にあたる。私よりも先に「マエストロ」を観た長女は、このエピソードに驚いていた。
バーンスタインについては、もう一つ宿題があった。吉原真里著「親愛なるレニー」である。次は、これに取りかかるとしよう
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