ケニー・オルテガ監督『ホーカス・ポーカス』
子どもの頃から大好きな映画です。
わたしはつい先日、ディズニー映画の好きなヴィランズ(悪役たち)について友人と話す機会があり、それがきっかけで久しぶりにこの映画を観返してみました。
何度観てもクセになる面白さ!
ハロウィンの時期に観た方がより楽しめますが、それ以外の時期に観てもワクワクします。
魔女のサンダーソン三姉妹がとってもユーモラスで。
不気味なのにどこか憎めなくて。
長女ウィニーは一番頭がよく回るし、一番歌が上手いけれど、容姿に一番コンプレックスあり。
次女メアリーはサラよりは賢いけれどウィニーの頭脳には遠く及ばず、トボけた性格で、一番嗅覚が優れています。
三女サラは一番容姿が良く、一番天然な性格で可愛らしいけれど、一番馬鹿扱いされており、一番男好き。
笑えるようなヘマをやらかしたり、ノリノリで歌や踊りを披露したりと、茶目っ気たっぷりの三姉妹。
それぞれが見た目も中身も全く異なるこの三姉妹には、共通しているものがあります。
それは、心根の残酷さ…。
自分たちが若返ったり生きながらえるためなら、人間を何人死なせようともシレッとしているのです。
シレッとしているどころか、むしろどんどん人間の子どもの精気を吸い取って殺しまくる気満々です!
やはり悪役は悪役。
この映画はディズニー映画なのでそんなにホラーなシーンは無いのですが、ゾクッとするシーンも度々あります。
自分に100%の悪意を向けてくる相手と対峙するのは、誰にとってもおっかないものです。
しかも、この映画に出てくる大人たちは主人公たちのことを全く助けてくれません。
大人たちはまんまとサンダーソン三姉妹の術中にハマってしまい、子どもたちを助けるどころでは無いからです。
子どもたち(黒猫化したサッカリー含む)だけで三姉妹と対峙しなければなりませんが、子どもたちは魔術が使えるわけでも、武器を持っているわけでもないため、ハッキリした対抗手段がありません。
そのため、子どもたちは三姉妹からの度重なる襲撃にあい恐怖しながらも、その場しのぎのやり方で危機を回避し続けないといけません…。
きっとこうした要素がこの映画の「笑えるけれど怖い」という魅力を生み出しているのでしょう。
※注意
以下の感想には、結末に関するネタバレを含みます。
未鑑賞の方はご注意ください。
でも、もしウィニーが単独で動いていたら、「ハロウィンの後も生き続ける」というウィニーの企みは成功したかもしれないなあ…とわたしは思います。
メアリーの嗅覚は優れているけれど、直接的には役に立たないし。
サラは子どもを誘い出すという特技はあるものの、その能天気な振る舞いのせいでしょっちゅうウィニーを苛つかせるし。
特にサラは昔ウィニーの恋人ビリーと浮気をしでかしたこともあるのに、よく姉妹の仲に亀裂が入らなかったなぁ…とビックリです。
メアリーとサラはウィニーにとって明らかに足手まとい。
それなのにウィニーがメアリーとサラを最後まで見捨てなかったのは、きっと三姉妹の間に絆があるからなのでしょうね。
ウィニーにどんなに悪態をつかれてもメアリーとサラは「また怒られちゃったねぇ」とテヘッと笑う感じで従順にウィニーに付き従うから、ウィニーにとってはたとえ不出来でも可愛い妹たちだったのかもしれません。
そこにはきっと愛があるのでしょう。
この映画ではサッカリーとエミリー、そしてマックスとダニー、この2組の兄妹の絆が見どころですが、三姉妹の絆もとっても魅力的です。
『ホーカス・ポーカス2』も近いうちに観てみたいです!