「わたしは幽体離脱が出来る」
載せるべきか載せないべきかとても迷ったのですが、この記事を載せることで誰か一人でも救われたら良いなと思うので、載せることにします。
非常に込み入ったケースなので、今回のQさんの情報は最低限しか書きません。
わたしがこのQさんと出会ったのは偶然でした。
出会った経緯については伏せますが、このQさんはクラスで浮いた存在でした。
クラスメイトや先生等に対して、
「わたしは幽霊が見える」
「わたしは幽体離脱が出来る」
等と話していたからです。
クラスメイトはQさんを「嘘つき」「変わってる」「スピ」と敬遠し、先生等は「子ども時代によくある虚言」「注目を集めようとしている」「厨二病」と評価していました。
結論から言います。
このQさんは性的虐待を受けていました。
「どんな時に幽霊が見えたり、幽体離脱するんですか?」と聞くと、喉が詰まってなかなか声が出せない中ようやく「ママの彼氏がうちに来てる時」と答えてくれたのです。
母親の彼氏のことを人間ではなく幽霊だと思うことでやり過ごそうとした、嫌なことをされている間自分の体から心が離れているとイメージすることで苦痛を麻痺させようとした、それが「わたしは幽霊が見える」「わたしは幽体離脱が出来る」という発言の真相でした。
現在、Qさんは母親宅ではない別の場所に保護されています。
中には「実の母親に育てられた方がQさんの幸せではないか?」と意見を言ってきた方もいました。
それも一つの尊重されるべき意見なのかもしれませんし、Qさんの母親も「一緒に暮らしたい」と希望しましたが、Qさん本人が「ママは幽霊のことを知っていたのにわたしを守ってくれなかった」と別々の生活を希望されました。
色々な意見が出て来るであろうケースだとは思いますが、今回わたしがこの記事で言いたいのは、
大人は子どもの発言を「子ども時代によくある虚言」「注目を集めようとしている」「厨二病」と決めつけないで欲しい。それが精一杯のSOSだという可能性に気づいて欲しい。
ということです。
大人が思っている以上に、子どもは多くのことを見て考えています。
発言にも行動にも意味があります。
確かに、子どもの発言の中には「嘘」や「妄想」も含まれているかもしれません。
しかし、誰かがまず「あれ? 何かがおかしいぞ」と違和感に気づいて、自分自身が関わることは難しいなら「あの子がこんなことを言っていたので心配だ」と誰か信頼出来る人に教えてくれたら、今回のQさんはもっと早く救われていたでしょう。
少なくとも、誰かがもっと早く「どんな時に幽霊が見えたり、幽体離脱するんですか?」とQさんに聞いていたら、単なる嘘ではないことは分かったはずなのです。
子どもに限らず大人もそうですが、自分が困っている時に「わたしは困っています」とはっきりしたSOSを出せる人はどれだけいるでしょう?
実際、とても少ないと思います。
SOSを出せない方が大半。
このQさんに限らず他の方々もそうですが、多くの場合、まず誰かに小さな相談事からしてみて、その対応によって「この人なら信じてもいいかもしれない」と信頼しない限りは、本題の悩みについて決して話さない…という方々が非常に沢山います。
今回のQさんの場合、「わたしは幽霊が見える」「わたしは幽体離脱が出来る」と話すことで本人なりに自らSOSを発信していたのに、それを受信する大人がなかなか現れなかったのが非常に悔しいです。
この記事を読んでくださった方で、もし周りにいる子どもの様子に「ん?」と思うことがあったら、どうか「自分には関係ない」と放置しないでください。
大人が子どもに「大丈夫?」と声をかけただけで不審者扱いするような世の中ですから、直接あなたが子ども本人に声をかけるのではなく、例えば警察、児童相談所、お住まいの自治体が運営している相談窓口、行政の保健師さんや社会福祉士さん等に「実はこういう子がいて…」と話をしてみるのも良いと思います。
今回のQさんのように性的な問題が絡む場合は特に、心無い人が被害者を中傷する場合もあるので、誰かれ構わず話をするのではなく、まずは専門機関の方に話すのがベストだと思います。
そうした機関に繋いだ上で、問題があると思ったのは気のせいだったことが判明するケースもありますが、それならそれで「何もなくて良かった!」と皆でホッと出来ます。
…大晦日に載せるにはだいぶ重たい話ですが、どうかよろしくお願いします。
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