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新刊のお知らせ
(書き手)古屋美登里
この七月に翻訳書を二冊出しましたので、皆さまにお知らせいたします。
〇 エドワード・ケアリー『飢渇の人 エドワード・ケアリー短篇集』(東京創元社)http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488011086
〇 イーディス・パールマン『幸いなるハリー』(亜紀書房)https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=1021&st=4
ケアリーの短篇集は日本オリジナル作品集で、これまでケアリーがいろいろなところに寄稿していた作品のほか、わざわざこの本のために書き下ろしてくれた短篇が六作入っています。イラストも特別に描き下ろしたものです。
長篇小説では人と物との深い関わりや、物への偏愛を描いてきたケアリーですが、今回は短篇故の面白さ、奇抜さが満載です。十六篇もありますので、きっと好きな作品が、好きな絵が見つかるはずです。
パールマンの短篇集は、これもいわば日本オリジナルの短篇集です。昨年『Honeydew』から選んだ短篇が十篇を収めた『蜜のように甘く』を出しましたが、ここに残りの十篇をまとめました。年齢を重ねてからのパールマンの洞察力のすごさが際立つ作品ばかりです。
今回翻訳塾でのフィクションの課題はアメリカ現代作家の短篇を訳すことでしたが、短いものであっても、最初から最後まで文章のトーンを崩さず、登場人物の人柄に破綻がないように考え、文章の空気や匂いにまでも気を配って訳していくのは並大抵のことではありません。何度も読み返し、訳し直して初めて、手応えを感じるようになります。
この二冊の短篇集がなにかのヒントになれば幸いです。