法人営業で成功するためのたった2つのスキル(後編)
前回は、法人営業で成功するためのたった2つのスキルの1つである「高度なコミュニケーションスキル」についてお話しました。
今回は2つ目のスキルである「組織による課題解決&実行力」についてお伝えしたいと思います。
1.2つのスキルの基本的な説明
2つのスキルの基本的な説明は以下の通りです。
①高度なコミュニケーションスキル:
対顧客とのコミュニケーションの中で、基本的には個人スキルとして磨いていくものです。顧客との人間対人間の信頼関係を構築し、効果的なヒアリングを通して、情報収集すると共に、ロジックと感情の双方を満たす価値提案を行うことを目的とします。
②組織による課題解決&実行力:
①で行う顧客とのコミュニケーションから得られた情報、課題、顕在化したニーズなどを元に、自社の強みを活かした課題解決に繋がる具体的な価値提案を組織として構築していきます。
また、受注条件(金額、前提、対象範囲、納期など)は社内の関連各部署の合意をスピーディに取り付けて正式提示する必要があります。
2.2つのスキルの位置づけ
2つのスキルの位置づけと関係性を示したイメージはこんな感じです。
3.なぜ「組織による課題解決&実行力」が重要か?
受注確率を高め、顧客との長期的信頼関係を構築する上で、「組織による課題解決&実行力」がなぜ重要になるのでしょうか?
その理由について、3つの観点からお伝えしたいと思います。
①商談の全体コントロール
②課題解決のためのアイデア創出
③解決策を具現化する価値提案
①商談の全体コントロール
商談規模が大きくなり複雑化すると、利害関係者も増えてくるため、社内の複数の部署と情報共有しながらスムーズに商談を進めていくことが求められます。「全体方針の決定と微調整」「タイムリーな情報共有」「時間軸と役割の明確化」を実行しながら、組織を有機的にかつ効率よく動かしていくことが重要です。
②課題解決のためのアイデア創出
顧客が抱えている課題は千差万別、多種多様に存在します。「自社のサービスによって解決できるか?」「他社サービスと組合せることが必要か?」「一つの解決策で複数の課題を解決できないか?」など、様々な分野の専門家やユーザー視点での声などを集め、解決のためのアイデアを創出していく事が重要です。
一人で抱え込んで考えるのではなく、他の人たちの知恵を積極的に借りることで、効果的な解決策に最短でたどり着くことが可能となります。
これを実行するためには、「高度なコミュニケーションスキル」を使って、顧客から具体的かつ明確な課題および関連する情報をヒアリングしてくることが不可欠です。
③解決策を具現化する価値提案
解決策をいつまでに(時間軸)、いくらで(コスト)、どうやって実現するか(実現方法)、それによってどんな価値をもたらすことができるか(提供価値)、を価値提案に盛り込みます。個人的な思いつきではなく、会社として責任を持って約束することが大前提です。
商談が大型化するほど、見積や提案内容、前提条件などの社内承認手続きが多岐に渡り複雑化します。手続きにかかる時間はもちろんのこと、商談の最終局面での交渉の際に、自社と顧客企業の双方が満足できる落としどころを見出すのも法人営業の重要な役割です。
「①商談をコントロールし、②課題解決のアイデアを創出し、③会社としてコミットした価値提案を行う」ために、「組織による課題解決&実行力」というスキルを磨いていく必要があります。
4.組織を動かす際に意識すべきこと
「組織を動かして成果を上げる経験」を積み重ねることによって、このスキルレベルを上げていくことができます。その際に、必ず意識しておいてほしいことがあります。
①無理のない最速アクション:最速で動くことで受注確率を上げられますが、組織には無理をさせないこと。社内で一度でも信頼を失ってしまうと、取り戻すのはとても難しくなります。関係する人たちが気持ちよく仕事ができるようにフォローすることが大切です。
②オーバーコミットは厳禁:受注の際、実現できないことを約束しないこと。コスト、納期、実現方法、投資対効果など、顧客の意思決定に影響する重要な要素は、確実に社内合意しておくことが重要です。
③適正な顧客の見極め:リスペクトに欠ける不誠実な顧客と長期的な信頼関係を構築することはできません。こういう顧客とのプロジェクトはほぼ確実に問題が発生し、社内組織に多大な負荷がかかり、利益を圧迫します。早々に見極めた上で、割り切って次に行きましょう。
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