宝石店の強盗について思う事
同業者は同業者を分かっている
最近全国でも宝石店やブランドショップの強盗事件の話を聞きますね。
先日も六本木のロレックスに昼間強盗があったとか。
映画の撮影かというほどの白昼堂々な強盗撃でしたが、実行犯と親分という組み合わせと、入念な下見の上で行われたようですね。
さて、上の同業者は同業者を分かっているという事ですが、ボクは宝飾業界に勤めているので、大阪では心斎橋、長堀橋、南船場でウロウロしている人を見ていて同業者は顔見知りでなくても何となく分かります。
東京では上野、御徒町近辺でも同じですね。
宝飾業界の人の特徴
宝飾業界は大きな会社に勤めている方は別として、意外と1人で独立して仕事をしている人が多く、その理由は委託販売という販売方法が成り立っているお陰でカバン1つで全国を飛び回れるのです。
宝飾品というのは高額の割に小さいので、例えばアタッシュケースの中に指輪だけでも何百本も入るので、もし盗まれたら何千万円相当とか何億円相当の額が入ってしまうのです。
その為、アタッシュケースだけで動き回れるのですが、難点は重量が重い事。地金がプラチナやゴールドといった貴金属なので大きさの割に重いのです。おまけに下の画像のようなリングケース自体も結構重いのです。
その為、地方を飛び回る卸業の人はいわゆるコロコロを引きながら歩いています。
普通にしていれば出張をしているサラリーマンにも見える訳ですが、何だか同じ業界の人は分かります。その人の醸し出している空気や雰囲気だと思います。
実際の強盗や盗難の事例
今は分かりませんが、10年〜15年ほど前は業者が盗難にあう事件も結構ありました。東京や甲府から出張に来ている業者は意外と1人で出張に来るという事が多く、また車が多いのでカバンを車に置いて食事をする事が多く、その隙に盗まれる事を結構聞きました。
他にも以前書いた展示会を行うホテルには1人で来ている業者が複数あり、そのホテルのレストランやバーなどで仲間の業者と過ごしている時に複数の業者の商品が盗まれたり。
同じような事をかなり聞きましたが、宝飾品は小さい割に高額で宝飾品を入れている物はトラベルケース程度の大きさで持ち運びがしやすいといった理由で盗みやすいのだと思います。
失礼な言い方ですが、ボクも狙うとすればそういった業者ですね。
ただ、問題もあります
問題は、そうやって盗んだ商品の現金化が素人だと難しいと思います。
例えば、数千万円の商品としても素人だと宝石の値段は分かりません。
宝飾品というのは値段があってないような物なので、プロじゃないと売るとしても地金代だけしかなりませんし、素人だと足元を見られて買い叩かれてしまいます。
といっても、盗難品の1つ1つに値段を付けて売るとしても数が多いので処理に困ります。
普通、盗みをする人はお金や物が緊急的に必要な人なのでお金になるのに時間がかかるのであれば他の物を盗むと思うのです。
だから、先日のロレックスのようなブランドの商品になるのでしょう。
業者同士がやっても意味がない
という事で、宝飾業界の人間が盗みをしてもあまり意味がないですし、業界は意外と狭いのですぐにニュースになります。もし盗んだ商品を地道に売っているとすぐに分かるでしょう。
もちろん、盗んだ商品全部を一気に買い取ってくれる裏稼業の人もいますが、売る時は高いのに買う時は安いので二束三文に近い価格です。
そうやって考えれば業者の商品を狙うのはコスパ的にもあまりよくないですね。
と言っても電車で出張に行って帰りに眠くて寝てしまったダメ社員のボクが言える事ではありません(^^;)
やはりブランド商品は強い
ブランド商品はどこにいっても高値で買い取ってくれますし足も早いですし、すぐにお金になります。どちらかと言えば宝飾品より時計などの方が良いでしょうね。
ティファニーやブルガリといったお店はセキュリティも万全に近いと思いますし、リスクはかなり高いと思いましたが同じようなブランドであるロレックスでも強盗に入られる時代ですから、同じような事も今後は起こりうるのでしょうね。
まさか、ブランドショップに入る為に大きな鉄格子の扉を開けないと入れないといった時代にはなって欲しくないし、ブランドでそれは嫌ですね(^^;)