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【詩】柔和

どうして生きているんだろうと、空に問うた言葉が秋風となった。わたしはただ炭酸水のように死にたかっただけなのに、こうして秋風を肺に蓄えている。死にたいと願いながら飯をこしらえて、わたしもあの詩人のように言葉を紡ぎたかった。生きるか死ぬかみたいな文章ではなくて、季節を謳う詩を書きたかっただけなのに、わたしはこの世とあの世の間でこの世界を叩き割ろうとしていた。こぼれ落ちる何かを必死に拾い集めて、世界の柔らかいところだけに触れていたかった。きみはわたしの柔らかいところに触れようとはしなくて、ずっと薄く張った膜をそっと撫でていた。わたしの表面は光沢がかっていたから、きみの瞳に乱反射して、その内側までは照らさなかったから、やっぱりきみはわたしの外側だけを見つめた。きみは必死に、死ねと言いながら生きろと言っていた。だからわたしも死のうと思ったけれど、どうせ死ぬ勇気なんてないんだよ。あなたの傷を癒しに帰ります。安心して殺してください。
 


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