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【適応障害になった大学生】  感情の輪郭を撫でる。

3月が終わる。

結局親に何も話せないまま、状況は何も改善しないまま春休みを終えようとしている。

最近は薬が増えたおかげで、少し動けるようになった反面、日中はとにかく眠い。

それでいて昼寝すらできない。

夜に眠剤を飲んでやっと眠りにつける。

そんな毎日。

この1年の間にわたしの身に起こったいろいろについて、このパンクした頭ではそれらを正常に処理することができないでいる。

だから、結局「自分が悪かった」という自責にたどり着く。

けれど、知らないだけで、わたしの周りの人たちがわたしの分まで怒ってくれていたことに気づかされた。

もっと怒っていいのだと言われた。

そうか、わたしはもっと怒っていいのか。

そうは言っても、きっと今のわたしには怒る気力さえないのだろうけど、そう言ってくれる人がいるだけで幾分か心が軽くなる。

わたしは、ずっと怒ってきたのかもしれない。

戦争や紛争、環境問題、教育問題、たくさんのことに昔から関心を持って、いろんな本を読んだり活動をしたりしてきた。

その原動力は、いつだって怒りだった。社会や世界、何より人間に対する怒りだ。

うつ状態にあるときは、ただひたすらに世界が悲しいと感じる。

それはもしかしたら、今まで感じていた世界への怒りが、悲しみに変わったのではないだろうか。

怒るにはエネルギーがいる。だから、そのエネルギーが枯渇してしまった今、どうしようもなく悲しく思えてくるような気がする。

そんな考えに辿り着いたとき、わたしの中にあった漠然とした「悲しい」という感情が輪郭を持ち始めた気がした。

漠然とした感情は怖い。

その暗い靄に飲み込まれてしまいそうになる。

だけど、感情が輪郭を持ち始めたら、わたしはその感情を抱えてあげることができるような気がするのだ。

抱えて、撫でて、そっと癒してあげられるようになる気がする。

だからわたしは、自分と対話し続ける。

そして自分の言葉で記す。

今はそうやって、少しずつ自分を知る時間。

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