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2023年の印象深かった本

毎年12月になると今年のベスト本! 的なのをあちこちで見かけますが、でもまだ12月終わってないじゃん、このあとにすごい本に出会うかもしれないじゃん! てずっと思ってるんですよね。

なので、年も推し迫ったころに、今年の印象深かった本について書きます。
ベスト本じゃないの。印象なの。
というのも、よかった本をあげ始めたら、読書感想記事にした本の大半になっちゃいかねないので。
しかも、今年出版された本ではなく、自分が読んだ本という超個人的見解。
いいんだよ、自分が読んだときがその本が(自分にとって)存在し始めたときだから。


『倭の五王』

年初に読んだ本ですが、本の展開がミステリーのようで、一般向けの読み物としては無茶苦茶おもしろかったので、まず思い浮かびました。
歴史学と考古学の視点から歴史的事実を検証する、それってこういう手法だよね~という本で、個人的にこういうのを読みたかった大賞受賞作です。
素人向けのインチキ歴史本も出回る中、マジで貴重な本です。

『源氏物語』瀬戸内寂聴訳

2022年からゆるゆると読み続けてた瀬戸内寂聴訳『源氏物語』
2024年の大河が紫式部だからというのではないですが、いや『源氏物語』って無茶苦茶人間描写がうまいし、瀬戸内寂聴訳は読みやすい。過去に何度か『源氏』挫折した経験者だから言う。瀬戸内寂聴訳はいいです。

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』

メモを取りながら読んだので、結局読み終わるのに一か月もかかった本。
欧州諸国が植民地経営の難しさを実感しつつある時点で、まだ戦国時代のような国盗り合戦を考えていた日本人の愚かさが、ボディーブローのように響いてきてます。
猿真似しか芸当のない日本人は、昔から周回遅れだった。それを認識するのは「敵を知り己を知らば百戦危うからず」にもかなうというやつですね。

『日の名残り』

今年、カズオ・イシグロさんの初期作品をいくらか読んできましたが、その中でも、読後の人生観を変えた作品が『日の名残り』です。
人生ってなんなのか、仕事で結果を出し続けた先にあるものはなんなのか、一市民としてどのように生きるべきなのか、そういったことを考えさせられました。諦めと希望。それを与えてくれる作品ですね。

『今川氏親と伊勢宗瑞』

今年読んだ本で、伊勢宗瑞本は外せないよなあ、という一冊。
伊勢宗瑞本としては『戦国大名・伊勢宗瑞』の方が完成形かと思われますが、今川氏親を含めたファミリーとしての伊勢宗瑞まわりを読むなら、こちら。
これまで悪役扱いだった今川義元のお祖父ちゃん(!)が、なかなか元服させてもらえない繊細くんだったとか、そんな青年を叔父さん(伊勢宗瑞)がフォローしまくってたとか、そういう広域視点で読めるのがいいのです。

『われはロボット』

最後は12月に読んだ本から。
なんでこれかって、もう全ロボットもの全AIものの基礎作品がこれじゃないかと思うので。
これを10代のうちに読んでいれば、もっと幅広い認識を持ったSFファンとしての人生を送ることができただろうなと、もしもボックスに駆け込みたくなった50代の冬……。

ということで、今年のベスト本と言うには多すぎじゃね? と家族からのツッコミも受けつつ、以上6作品を、2023年印象深かったで賞受賞作と勝手に認定させていただきます。
以上、ありがとうございました。

#今年のベスト本

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