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【編集先記】ヤマガタダイカイギュウに会いたくて山形県立博物館編vol.3
こんにちは。編集長です。
某出版社から刊行予定の某化石案内本の取材のため、山形県立博物館を訪れました。
ヤマガタダイカイギュウに会いたくて山形県立博物館編vol.2の続きからお届けします。
vol.1も読む
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まだまだ面白い山形県立博物館
そんなわけでついに愛しの君に会えたわけですが、ここで帰るのはもったいない!ヤマガタダイカイギュウがいる第一展示室には、他にも絶対に見てほしい化石がたくさんあります。
例えばこれ↓
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日本の足跡化石研究の歴史で2番目に報告されたという鳥の足跡化石です。おそらく真鶴の仲間の足跡では?とのこと。
この足跡化石は中山炭鉱の天板で見つかりました。
まだそこが炭鉱ではなかったはるか昔、その上を歩いた鳥が残したもので、踏み込んだ足の形がちょうどエンボス加工のように浮き上がってできています。このような足跡化石をゴーストプリントというそうです。
(何度説明を聞いても理解できない私のため、自らの履いていた靴を使ってわかりやすく説明してくださった瀬戸先生、ありがとうございました!)
次にこれ↓
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ナウマンゾウの大腿骨と臼歯。
下には実物化石、その上にはナウマンゾウを模ったアクリル板に同化石のレプリカが貼られ、体のどこの骨かを表しています。わかりやすい!
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そしてこれ↓
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ダイカイギュウ発掘地の下流で見つかった、クジラの骨とサメの歯。
クジラとサメは闘ったのか、あるいは単に一緒に流れ着いたものなのか。
今となってはわかりませんが、ただ現在の深海性のサメは腐肉を食べる習性が知られるので、亡くなって沈んだクジラを漁っていた可能性はありそうですね。
植物化石も↓
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アカガシ属の一種。
え? 今葉っぱ持ってきて貼り付けた⁉︎ と言いたくなる驚きの化石です。
化石以外も見所たくさん
第一展示室の化石エリアを抜けると、ここからは現生エリア。山形の自然がたくさん並べられています。
野生動物、植物、キノコ、昆虫、水生動物、いろいろなのですが、ちょっと面白かったのがこれ↓
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テンサラバサラ。
「ケサランバサラン」という名前なら耳にしたことがあるでしょうか。幸運を呼ぶという、正体は謎に包まれたフワフワしたやつです。
この地域では、1年に1度しか見てはいけないという言い伝えがあり、家族が大切にしまっていたものがひょっこり箪笥から見つかる、なんてことがよくあるのだとか。
ちなみにこれは、よく似せて作られたレプリカ。
なので何度見ても大丈夫です!
第一展示室を抜けると、第二・第三展示室へと続きます。
これも山形県立博物館の目玉↓
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神々しすぎて写真が下手になります。
とまあ、本当にいろいろありまして、すべては紹介しきれないので、個人的に印象に残った展示の一部を最後にちょこっとご紹介させてください。
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(写真がアレですがその場で見るとなんだかとてもオシャレだなーと思った展示です)
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(おおらかな時代のパネルが残るのも歴史ある博物館ならでは)
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1971年、東北初の県立博物館として開館した山形県立博物館は、ヤマガタダイカイギュウをはじめその他たくさんの山形の歴史と文化がつまった古き良きザ・正統派博物館。
JR山形駅から徒歩10分とアクセスも良く、さらに入館料はなんと大人300円(学生150円、高校生以下無料…無料⁉︎)。
霞城公園は立派な桜の木がたくさんあったので、来年はぜひお花見シーズンに来ます! プライベートで!!
長澤先生、瀬戸先生、改めましてありがとうございました。
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山形県立博物館を出たら、同じ霞城公園内にある山形市郷土館にもぜひ立ち寄ってみてください。
1878年に県立病院として建てられた旧済生館の建物がこちらに移築され、観覧無料で一般公開されています。
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