教えて!京都のタイルと建築の話(中村裕太さん×倉方俊輔さん)
[Q1]京都が近代建築の宝庫なのはどうして?
倉方 平安京が築かれた794(延暦13)年から、東京に遷都される1869(明治2)年まで、京都は日本の政治・文化の中心地でした。ところが天皇が東京に居を移すと、京都の人口は激減。経済も低迷期を迎えます。しかし、1880年代からの窯業や繊維業をはじめとした近代産業の振興によって、京都は近代都市として再生への道をたどっていくのです。
1890(明治23)年には琵琶湖疏水*が完成し、その5年後には日本初の路面電車が街を走るようになります。メインストリートだった三条通には、京都郵便電信局(現中京郵便局)や日本銀行京都支店(現京都文化博物館別館)など、煉瓦造の近代建築が次々と建てられました。
京都は、日本のほかの主要都市と比べて、それほど大きな空襲の被害を受けませんでした。そのため、今でも明治時代以降に建てられた近代建築が多く見られます。歴史的な神社仏閣や町家が立ち並ぶ景観にも馴染むよう、和風と洋風とを取り混ぜた建物が見られるのも、この街の魅力のひとつですね。
[Q2]なぜタイルが使われるようになったの?
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レトロなビルのファサードや銭湯の浴場を飾る「タイル」。どこかノスタルジックな趣のあるこの言葉が使われはじめたのは、ちょうど100年前のこと…
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