
魅力的なフクロウの仲間たち|愛しい北海道ANIMALS
この連載「愛しい北海道ANIMALS」は、北の大地に暮らす動物たちを23年間にわたり見守り続けてきた結びさんによるフォトエッセイです。そんな結びさんの撮影する動物たちの姿は、おもわず息をのむほど美しかったり、可愛らしかったり、ときに猛々しかったりします。今回は、魅力的なフクロウの仲間たちをお届けします。
トップの写真は、ふわふわでぬいぐるみのような、可愛らしい北海道に生息するエゾフクロウのヒナ。生き物の赤ちゃんはどれも可愛らしいのですが、エゾフクロウのヒナのふわふわした感じ、兄弟でいっしょのときの仕草、まん丸の目、どこをとっても「かわいい~」と言いたくなります。
ただ、こちらの成鳥のエゾフクロウも可愛い顔をしていますが、実はエゾモモンガを狙って静かに待っているところなんです。

私もエゾモモンガを撮ろうと待っていたのですが、いつのまにかすぐ近くにエゾフクロウの丸い頭のシルエットがあってびっくりしました。羽音がしないと聞いていましたが、飛んで来たことにまったく気づきませんでした。彼らも生きていくために餌が必要ですが、できればその場面は見たくない。厳しい野生の世界です。
次は、アオバズク。青葉の時期にやってくることから、そう呼ばれるそうです。こちらは小さめのフクロウの仲間。ヒナの頭がくるくると周り、目もぎょろっとなっていかにも猛禽類って顔になったり、ときに可愛い表情をしたり。

くるくるよく回る首のアオバズクのヒナ
親鳥は手塚治虫さんの漫画に出てくる悪人顔によく似ている気も(笑)。そう思うのは私だけ?

次にご紹介するのは、私はまだ一度しか会ったことのないオオコノハズクとトラフズクのヒナです。オオコノハズクのヒナは、今年出版した本の中でも紹介していますが、じつは道路に落ちていた子。最初に見たときは目が開いていない状態だったので、「なんだ、この綿は?」とおもって恐る恐る近づいたら、可愛らしいフクロウのヒナでした。その後、保護することになりました。詳しい顚末は本書をご覧くださいね。



凛々しい顔でこちらを見ているのは、北海道の観察施設などで会える、日本最大のシマフクロウ。

人の手で少しずつ数を増やしているようですが、まだまだ貴重な絶滅危惧種です。以前、自ら探し見つけたことがありますが、そこも保護区域だったようで、「そっとしておいてください」と言われ撮影を諦めました。旭山動物園の坂東園長よりお話をうかがいましたが、大きなシマフクロウが生息するには、餌となる魚が豊富な川、植樹により繁殖に必要な大きな樹洞のある樹を育てるなどの森づくり、そんな環境を100年単位で引き継いでいかなければならないようです。
夜行性のため出会える機会も少ないフクロウの仲間たち。シマフクロウをはじめ魅力的なフクロウの仲間たちに、ずっとこの地で会えることを願います。

文・写真=結び
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全68種のかわいくて素敵な動物が勢ぞろい
北海道の野生動物をとらえた写真集
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人気のシマエナガや「エゾのつく」リス、モモンガ、シマリス、ナキウサギ、珍しいオコジョなど、北の大地でしか出会えない野生動物たちに、迫力のシャチ、フクロウの仲間まで多数収録。親子や赤ちゃんの愛らしい様子など、北の大地の素敵な動物たちの小さな物語やびっくりが隠れています。本の中には、白いエゾリスやエゾオコジョも出てきます。
撮影時の動物とのエピソードを描いたイラスト付きで、親子で楽しめる写真集になっています。23年間にわたり北の大地を撮影してきた北海道在住のフォトエッセイストが手掛けた、ほっこりと雄大さを兼ね備えた一冊です。
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