【こどもの日】ひととき編集部お気に入りの郷土玩具20選
【1】セワポロロ【北海道網走市】
原型は北方民族ウィルタが作っていた木の人形だという。セワとは神様のこと。鼻筋の通った凛とした表情が魅力!
【2】山形張子【山形県山形市】
江戸時代、京都から山形に移り住んだ人形師を開祖とし、今もその流れをくむ一家の手で作られる。なかでも写真の玉乗りうさぎは愛らしいひと品
【3】犬張子【東京都】
江戸時代中期以降に誕生した丸く大きな目が特徴的な犬張子。犬は安産の象徴であるため古来安産祈願の贈り物とされた
【4】きびがら細工【栃木県鹿沼市】
座敷ぼうきの一大産地であった鹿沼市。需要が激減したほうきに代わる特産品として考案された、新しい郷土玩具だ
【5】浜松張子【静岡県浜松市】
明治維新後、浜松に移り住んだ旧幕臣が作り始めたと伝わる。犬や柿乗り猿、だるまの両側に車輪の付いたころがしが人気
【6】三原だるま【広島県三原市】
願いが成る(鳴る)ようにと、中に鈴や小石などの鳴り物が入っており、頭に豆絞りを巻いているのも特徴のひとつ。地元の名産タコをモチーフにした「たこだるま」も
【7】桃太郎神像【福井県敦賀市】
北陸道の総鎮守・氣比神宮で、戦前から魔除けや家内安全のお守りとして授与されている土人形。通称・桃太郎神像だが、戦禍で消失した旧本殿の梁にあった桃を割って出る神像の彫刻を模しているとされる
【8】須磨張子【兵庫県神戸市】
郷土玩具に魅せられた吉岡武徳さんが1984(昭和59)年に自宅で作り始めた比較的新しい玩具。ユーモラスな表情が最高!
【9】竹鳴り独楽【三重県伊勢市】
伊勢参りの土産物として作られた鳴り独楽。上部のつまみに糸を巻いて強く引くと、ブーン!と大きな唸りをあげて回る
【10】奈良一刀彫【奈良県奈良市】
平安時代後期、春日大社若宮の祭礼で木彫りの人形を作ったのがルーツとされ、豪快なノミ跡で生み出す表情が味わい深い
【11】宮島張子【広島県廿日市市】
石膏型の内側に和紙を張ることで美しいシルエットに成形。動物をモチーフにした鮮やかな配色と独創的な模様が楽しい
【12】讃岐かがり手まり【香川県高松市】
塩、砂糖と並ぶ讃岐三白のひとつである木綿の糸を草木染めし、一つひとつ手でかがって作られている
【13】鰹車【高知県高知市】
100年以上前、土佐の漁師たちが陸で待つ妻子への土産として櫓〈ろ〉などの廃材で作ったのが始まりだという
【14】流し雛 【鳥取県鳥取市】
米俵の蓋の部分を船に見立て紙の夫婦雛を川に流す雛祭り行事の流し雛。郷土玩具としても親しまれている
【15】金魚ちょうちん【山口県柳井市】
幕末に青森の金魚ねぷたをヒントに生まれたといわれる。軒下に吊るせば尾ヒレが揺れて、金魚がゆらゆらと泳ぐよう
【16】弓野人形 【佐賀県武雄市】
博多人形の流れをくむ、胡粉〈ごふん〉を厚めに塗ったぽってりとした形と鮮やかな彩色の土人形。写真のフクロウ笛はホーッとやさしい音色を奏でる
【17】木の葉猿 【熊本県玉東町】
約1300年前、奈良の春日大明神を当地に祀る際に奉納する祭器を作った残りの土が、猿に化けたという伝説から生まれたとされる。写真は「飯食い猿」
【18】尾崎人形 【佐賀県神埼市】
鎌倉時代、蒙古襲来の際、捕虜になった蒙古兵が当地の人々の看病に対するお礼に作ったのが起こりとされる
【19】福獅子【大分県別府市】
別府の土鈴人形店「豊泉堂」が作る紅白一対の福獅子は災いを取り払い、福を運ぶとされる縁起物。こう見えて手のひらサイズ!
【20】琉球張子 【沖縄県那覇市】
南国特有のカラフルな色使いが魅力。写真の「鯉乗り童子」は、子供の健やかな成長と立身出世を願った縁起物
──全国にある郷土玩具。みなさんのお気に入りは見つかりましたか? ひととき5月号では、民俗学者の神崎宣武さんと九州を訪れ、鹿児島のおもちゃ神社や福岡の郷土玩具のセレクトショップなどを巡ります。愛らしい郷土玩具の魅力をご堪能ください。
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*撮影協力=山響屋、写真提供=山形張子・竹鳴り独楽:日本玩具博物館、桃太郎神像:氣比神宮
出典:ひととき2022年5月号
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