四季折々の味わいが楽しめる老舗「川口屋」の魅力|〔特集〕名古屋──あんこの王国
畑さんが初めて名古屋のあんこと出合ったのは、中区錦3丁目、名古屋の繁華街にある「川口屋」だった。創業は、元禄年間。かの「忠臣蔵」の討ち入りがあった時代である。老舗らしい風情ののれんをくぐって、店内に入ると、陳列棚には優しい色合いの季節の上生菓子が並ぶ。
「川口屋さんは、椿餅が有名ですが、春なら桜のお菓子一点だけでなく、咲き始めから満開、水面に浮かぶ花まで、時期によって変化する桜を違う形のお菓子にする。季節の表現が豊かで芸術的です。こんなにあんこの種類があることにも驚きまし