嫌われるのが怖くて本音が言えない人へ
嫌われるのが怖くて本音を言えないのは、すごく真っ当な感覚だと思う。
そもそも人間っていうのは単独ではなく集団で生きてきた動物だ。
あいつ嫌いだから食糧分けるのやめようぜ!
次の土地に移動するとき置いていこうぜ!
って言われた死ぬ。周囲からの拒絶=死というイメージがDNAに刻み込まれている。
なので、嫌われるのが怖いのは性格じゃない。動物としての本能。
本音を言うって行為は、本能に逆らっている。嫌われるかもしれないから外に出さず「本音」という形で心に留めていたのに、なぜか言おうとするんだから。
本能からしたらびっくりだ。拒絶されるに決まってる。自ら死ににいくようなものかもしれない。
本音を言うためには、嫌われるのを怖がっている自分ではなく、死という恐怖を抱いている本能に向き合う必要がある。
「本音を言う=嫌われる=死ぬ」の図式を変えることができれば、自然と本音が言えるようになるはずだ。
なので、まずは安全な場所でちょっとずつ本音を言うことからはじめよう。
職場の本音をいきなり職場でぶつけるのは怖すぎるので、仕事に関係のない人ところで言ってみる。
唐突にはじめるのが不安であれば「本音を言う練習がしたいんだけど、そういうの苦手だから付き合ってもらえる?」と相談をするのがいいもしれない。
周囲の人に話すことがむずい!と感じるケースも多いので。本音屋はもちろん、カウンセリングやコーチングやレンタルサービスなどを使うのもいい。
利害関係のない存在は楽だ。バーでたまたま隣の席に座った人には本音が言えるというケースもあるらしい。
あとは縁とタイミングだが、自分の本音が歓迎されるような場もいい。
上司との関係性に悩んでいるときに、そのテーマで議論しているイベントに行くとか、そういった仲間が集まる対話会に行くとか、それらの情報を収集している人と話をするとか。
Xのスペースに参加してみるとか、投稿を待ち望んでいる質問箱に送るとか。
一見自分にとってはネガティブな本音でも、はたからみたら共感できたり、貴重な声だったりすることはある。
いきなりコアな本音を出すことにハードルがあれば、小さな本音からはじめてみるのもいい。
そうやって、少しずつ本音を出していく練習をして、出しても大丈夫なんだと本能に伝えていくのが大切だ。
一番のポイントになるのは、安全に出せる場所を見極めること。
冷たい視線や圧のある声を浴びれば、またたくまに本能が「やっぱり本音を出すのは危険!ダメ!!」と騒ぎ出すので。
そうした気配を察したときはさっさと逃げるか、撤回するか、相手の言葉を聞き流すことを約束して欲しい。
あなたの本音が悪いんじゃない。偶然にも練習するのに相応しくなかっただけだから。
基本的には最初のハードルが一番高いようで、それを乗り越えられると、他の場でも何となく本音を出しやすくなると聞く。
本音を言ってみたい人は、まずは小さく、練習するところから始めてみて欲しい。
※結果的に本音って人に言わなくても良くね?ってなっても、それはそれで十分な成果なので素晴らしい
※言う/言わないの選択肢を自分で持てるのがいいよね