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農家への道vol.17:就農準備編④(畑の大改造、開始!)

前回の記事はこちら。↓

前回は、農地の候補地が決まって、土地の所有者さんと「農地賃貸借契約書」を交わし、町の農業委員会に「農地法第3条の規定による使用許可申請書」を提出する(した)ところまで書きました。

今回はその結果と続きを書いていこうと思います。最初に要点だけ箇条書き。

●4月末に農地法第3条の書類を提出して、土地の所有者さんと賃貸借契約をかわした。

●5月上旬に農業委員会の現地確認を経て、5月中旬、無事審査は通過。

●5月下旬に農協さんに土壌分析の土を提出。同時並行で軽トラの運転練習したり先進農家さんのところで定植研修などをやらせていただく。

●緑肥の種をまく前にスギナをやっつけるべく、6月上旬に除草剤まき。同時に、溝掘りと木の伐採。

これらについて、順を追って書いていきますね。

つぶやきなどでもご報告しましたが、農地の審査は無事通過しました!通過までの流れは、①書類の提出、②農業委員会の方々と一緒に農地の現地確認、③農業委員会の審査→通過!という感じでした。

なので、書類を提出してから3週間くらいかかりました(審査日は月1回)。新規就農者なので、畑をきれいに管理できるかどうかや農機の有無なども問われます。

せっかく農地を借りたのに、適切に管理できなければダメなので・・・。私の場合は、農地の所有者さんにトラクターをお借りすることになったので、農機の件は一応クリア。小型耕うん機や軽トラもすでに所有してましたし。

こうして、農地法第3条による農地の利用権設定は無事完了しました。

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晴れて農地を使えるようになったので、県の職員さんの助言もあり、再度詳細な土壌診断を受けることに。前回は県の農林事務所でやっていただきましたが、今回は農協さんに提出。

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畑を6つに区切って、6か所から土を採取し、栄養分の偏りの有無やpH値などを見てもらいます。結果はまだ来ていないのですが、結果の値は堆肥の量などの参考にする予定です。

軽トラの練習は、時間がある時などに地道に坂道発進の練習をしたりしていましたが(普通に運転するのは大丈夫)、結局はすぐに実戦投入せざるを得なくなったので、今はなんとか普通に運転できてます。坂道は相変わらず怖いです。笑

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ここまで、畑を使うための準備を半年くらいやってきたわけですが・・・ようやく次のフェーズに移行。いよいよ畑の大改造のターン!

今年度の予定としては、このあと7~8月に緑肥(ソルゴー)の種をまいて、秋にそれを畑にすき込むことになっています。でも、具体的にどうすればいいのかよく理解していなかったので、不明な点があれば、その都度、県の職員さんなどに確認しつつ進めるような感じになっています。

折良く、5月下旬に先進農家さん宅でアスパラの定植研修を受けることになり、その農家さんがわざわざ私の畑を見に来てくださったんですよね。
そこでいただいたアドバイスは以下。

①7月に入ってから緑肥をまくのであれば、その前にスギナをやっつけた方がよい。
②そのため、6月上旬までに除草剤を畑に全面散布すべし。

ということで、急遽、背負い動力噴霧器を買い、2日かけて畑に除草剤を散布しました。写真がなくてすみません・・・。

スギナにはかなり濃い目にかけないと効かないのですが、緑肥の前なので薄めの濃度しか適用がなく(農薬は、作物によって使用できる濃度や回数が決まっています)・・・。もし秋の段階で、まだスギナが繁茂していたら、秋にもう1回散布する予定です。

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上記と並行して、ビニールハウスの見積もり&譲っていただける方がいるかどうか探すターンも進めてます。

農協さんを通して、ハウスの業者さんに見積もりを作りに来ていただいたのですが、まあ結構な金額になりそうです。ここで、ちょっとお金にまつわる制度の話をしましょう。

アスパラの場合は定植してから最初の2年間は収穫ができず、収入が皆無になるため、私の場合は、その収入のない時期を研修期間として、『農業次世代人材投資事業』の「準備型」を受給しながら乗り切る作戦です。そして、定植3年目に「経営開始型」に移行して独立就農する計画。

詳細は割愛しますが、就農計画書等を作成する際に5年後の農業所得目標というのを書かないといけません。所得目標の最低が240万円くらいなのかな。たしか。

で、うちの地域のアスパラの場合、経費を除くと10a(1反/300坪)あたり50万くらいの所得になるみたいなので、5年後の所得目標をクリアするためには栽培面積で50a(5反/1500坪)確保しないといけない計算になります。

※ここに出てくる数字は県が作成した参考値を参照しているため、実際の数値とは差があるとは思います。農業収入ってわかりにくいと思うので、ご参考までに。

(そして、ひとりで栽培管理できるのが大体20aくらいなので、夫+臨時のアルバイトさんもいないとダメな広さ。でも、夫は定植3年目から手伝ってくれる予定なので、最初の2年は私ひとりです。

まあ初年度から50aすべて植えるわけではなくて、最初は20aくらい植えて、2年後くらいに残りを植えて・・・みたいな感じで分散させますけど。)

そんなこんなで、私が今回お借りした農地は50aちょっとなのですが、ハウスを建てると、当然ながら栽培できる面積は露地に比べて小さくなります。

アスパラは露地でも栽培できますが、病気にかかったり虫害を受けたりすることを考えると、この地域ではハウス栽培が基本とのこと。そのため「ハウスの内部の面積で」50a達成しないといけないんです。わお・・・。

なので、数年以内にまた農地を探して畑の準備をして農地を拡大する必要があります。でも、全部新品でハウスを建てていたら、補助をいただいたとしても破産してしまうので😅安く譲っていただいたりしつつ、どうにか達成しないとと思ってます。

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そして。簡易的なハウス見積もりを作っていただいた際に、業者さんから「緑肥の前に、畑の角にある大きな木を切って、明渠(水はけをよくするための溝)を掘った方がいいよ」という新たなアドバイスがあり、これまた急遽、近所の方にお願いしてやっていただくことに。

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私が背負い動力噴霧器で除草剤をまく傍ら、チェーンソーで太い栗の木やナラの木をぶった切ってくださり、自前のユンボで溝まで・・・。

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お借りした畑が2枚なので、両方を突っ切る形で溝を掘ってくださいました。

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畑が決まってから、まだ1ヶ月も経っていないのに、あれよあれよという間に畑の大改造が進んでいきます。当の本人(私)は、農業に関してはまだまだ素人なので、先人の意見を素直に実行することくらいしかできていない感じで、無我夢中のまま日々が過ぎているような状態。

目の前に新しいハードルが迫ってくるごとに、全力で飛び越えて、またすぐにハードルが出てきて・・・みたいな。流れに乗っちゃうと本当に止まれないんだなあって思います。まあ、止まる気もやめる気もないんですけどね。

今は、掘っていただいた溝から出てきた石(この地区は石が多い地区なので、やばいくらい石が出てきます)をひたすら拾ってます。

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それをお借りしたトラクターで運ぶんですが、トラクターがレトロでかわいくて、遊園地で園内を走ってるちっちゃい電車とかを運転してる気分になります。笑

(ちなみに、トラクターを運転していたおかげで、軽トラの運転も「あっ、トラクターと同じ感じで運転すればいいのか!」と理解できたんですよね・・・。今の職場でいろんなことやらせていただけてよかった。めちゃくちゃ役に立ってます。)

4月下旬~現在までやったことを駆け足でご紹介しちゃいました。また1~2ヶ月したら続きをご報告しますね。よければまたお会いしましょう!

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