タブーを超えていけ(日記)
今、私はおのれの中のタブーを超えるために恐れと向き合っている。私にとって一番怖いことは「怒られること」。なんだ、そんなこと?と思われるかもしれないが、私には「怒られる」ことは死に値すること、と言えるくらい怖いことなのだ。
両親にとって私は最初の子どもだったので、祖父母含め、かなり神経質に厳しく育てられた。でも、私は小学校に上がるまでは人の言うことを全然聞かない子どもだった。
「おとなしくしてなさい」と言われても勝手に遊びに行ってしまうし、「やっちゃだめ」と言われてもやってしまう。だから、両親にいつも怒られていた。「やるなよ」と言っているのに「やる」というタブーを犯す私は、父に全力でひっぱたかれてようやく止まる。今でこそ父とは仲がいいけれど、怒られる=怖い、みたいに思ったのは、父の烈火の怒りがきっかけだったように思う。
こういう幼少期の繰り返しから、「私は言うことを聞かないから怒られる」、「言うことを聞いていい子にしていれば怒られない」というのを学んだ。だから、大学に入るまで私は両親にとっての『いい子の人形』みたいだった。
自己主張はせず、言われたことだけをやり、地味で逆らわず、他者から見ていい子、できた子、気が利く子、の役をやる。
私は過敏そうに見えないのに過敏な子どもだったので、親はどう扱っていいのか分からなかったのかもしれない。本当の私を出させないようにして、自我を封印させておかなければ制御できなかったのかもしれない。
当然、そういう関係性の歪みを一身に受け止めて、私は自己不全感と脆さしかないような自己像を作り上げた。そういう土台だったから、世間的には「しっかりした子」というキャラクターをやりながら、内面的にはものすごく強い破壊性を抱えたまま、大人の年齢になってしまった。
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精神的に変調をきたして入院したりしながらも、私はこんな自分が嫌で、変えたくて、全身傷だらけになりながら、どうにかこうにかここまで生き延びてきた。「いい子」の私をやっていたときに比べたら、今はかなり自分に対してのタブーの基準がゆるくなったし、「自分」というものが本当はどういうものなのかが分かってきた。
でも、私にとっての最大の「タブーの壁」は、「怒られるのが怖くてできない」「怒られないために先回りして行動する」ということで、これは未だに越えられていない。
『これやったら怒られるかな。怒られたら、もうここにいられなくなるかも。仕事をクビになるかも。お前なんてもういらないって言われるかも。怖い。そう言われるくらいなら、やらない。』
別に、誰かに強制されたわけじゃない。私が、自分自身で作り上げた「まやかしのタブー」なのだ。だって、まだ実際に怒られていないし、怒られると決まったことでもない。なのに、私の心拍数は急上昇し、胃の中がひっくり返りそうに絞り上げられ、喉からは声が出てこなくなる。
ああ、もうこんなの嫌なのに。私は、私という個性を自分で「だめ」だと言いたくない。自分で自分を応援しなくてどうするんだ。私は、だめじゃない。言うことを聞かなかったとしても、それはすべて「やっちゃいけないタブー」じゃない。それが世界のすべてじゃない。
怖い。怖いなぁ、と思いながら、私はこの恐れと向き合うことにした。闘う、と言いたくなるけれど、その表現は正しくないかもしれない。自分自身と闘ってもいいことはないから。
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私は、農業関連で本名を使ったアカウントを作る、という目標を立てた。本名で、所在を明らかにして、思っていることを素直に表現するということには、責任が生じる。私的な発言だと思ってしたことでも、それは公的な発言と同義であり、「どこそこに住んでいるこの人物がこう言いました」という証拠が残る。
今も、ペンネームを使ってこうして発言しているが、ペンネームだとしても陰口は言いたくないので、人を傷つけたりしないように気を遣って書いている。でも、本名ではないので、本名に比べたらハードルは下がる。
最初は、noteでも徐々に本名を明かすことを考えていた。でも、結構ぶっちゃけ記事を書いているので、本名を明かすとなるとやはり「リアル」に言及できなくなると思い、ちょっと保留にしている。
でも、リアルなことを書かなきゃ意味がない、と私は思う。みんな「リアル」が知りたいんじゃないかと思うから。
全員、リアルを書く必要はないけれど、私には多分「リアル」を伝える役目がある。傷が多い人生ってきっとそういうことなのだ(傷があってもなくても、それぞれ意味がある)。
実名で使用していたSNSとしては、過去にFBをやっていたが、違和感が半端じゃなくて今ではほぼ発信していない。自分の発言に対して『怒られるんじゃないか』という恐れが消えない。上に書いた『noteでもリアルを連動させたらまずい』というのも「タブーの壁」が思わせている観念。
就農して個人事業主になったら、遅かれ早かれ自分の名前と顔を出して世に出る必要があるんだから、この「タブーの壁」は今の自分にはもう不要なんだ。私は私を全面に出して、知ってもらうんだ。そこがスタートなんだ。
勇気を振り絞った。実名のアカウントを作ってみた(FBは苦手なので別のSNSで)。ものすごい恐怖。怖すぎて、写真は普通に自分の写真を使って、本名を使ったあだ名みたいな名前にした。プロフィールだけで3日くらい考えた。1週間くらい迷って、意を決して公開してみた。
そういうときに、多分自分に向けられて送られたであろう投稿。「本名で発信したら?」という感じの内容。一気に脳内に台風。ああ、私まずいことやっちゃったかな。やっぱやらないほうがよかった?それなら直接言ってよ。
でも、自分を落ち着かせて考えた。これはメッセージなんだ。その人を通して、上から来たメッセージ。そのほうが、のちのちいい方に行くから、教えてくれてるんだ。
私は私のタブーを超える。自分の発言に責任を持って、私が思ったことを勇気をもって発言できる人になりたい。怒られたって死にゃしない。私はこの世の終わりのような地獄を見て戻ってきたじゃないか!
だから私はタブーを超えられる!立ち向かえ!!!!
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とりあえず、すぐにあだ名はやめてアカウント名を本名に変えた。もう逃げ場はない。逃げる気もない。
心の中はずっとぐちゃぐちゃで、羞恥心と恐怖でどうにかなりそう。だけど諦めない。向き合えばきっと、この種は芽を出すはず。それを信じて、もう少し頑張ってみよう。
タイミングが来たら、noteでも報告できたらいいな。
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