70 小説「ライフタイム」 6 雑誌
自分のやり方 大したスキルもなく飛び込んだ業界紙で、あとから来た新卒の記者の方がよっぽど詳しく(文学部、政経学部などの出身者だ)、とりあえず先輩のマネをして仕事を覚えていたのであるが、もちろん、『編集入門』とか『記事の書き方』とか『時事通信記者ハンドブック』などなど、多数の本を買い漁ってなんとか落ちこぼれないように必死だった。
そんなある日、まこさん、つまり編集長の藤枝眞子の取材に同行することになった。営業課長であり、事実上、営業のトップである田所啓祐も一緒だった。ぼくはカ