「三世代同居」って知ってますか?|武田砂鉄『父ではありませんが 第三者として考える』〈前編〉
はじめに
この本を手にとったきっかけは、自分の住む地域の図書館主催のワークショップに参加したことからはじまる。
大きな枠組みとして、現在の「生きづらさ」というものを、参加者が積極的にコミットして語り合う。
そんな場に参加しているのだが、大きなくくりの中の中テーマというべきものとして、「ジェンダー」を中心に本を通じてディスカッションを行った。
そのときに自分が持参していたのが、武田砂鉄氏の『父ではありませんが 第三者として考える』だった。
時間切れであまりフィーチャーする時間もなかったので、ここで改めてこの本と向き合い、何を感じたかを綴ろうと思う。
ただ、思いがどんどん沸き起り、
しかも2つのテーマに分かれてしまったので、〈前編〉〈後編〉の2回に分けた。
今回は〈前編〉である。
『生涯未婚』という経験値を積む
自分はこのままうまくいけば(?)生涯おひとりさまとして人生をまっとうするはずだ。
ただ、今はマイノリティと呼べるほどの少数派ともいえない。
データはやや古いものの、50歳の男性の約4人に1人は結婚の経験がない。
このデータのメッシュを細分化して、男女別、10代、20代、30代、40代、50代の観測値も見てみたい気もする。
国や自治体は、少子化対策のための政策を大盤振る舞いにバラまいているが、未婚原因の深掘りやパートナー探しの欲求率といったものには踏み込んでいない。
おそらくは、モデルケースの設定から見直さないと、現代の「婚姻」の認識がいつまでたってもアップデートされないと思う。
第三者の当事者として考える
未婚経験値を稼いでいる者として、この「ではない」(蚊帳の外)立場で、ようやくコトバを発せられる気がした。
日ごろ、未婚だ、既婚だでくくる必要性を感じていない人に向けての力強いメッセージがあって、なんだかホッとした。
よくよく考えてみると、多分お気楽な人生なんだな、と思う。
育児の不安。
夫婦間の不満。
責任の所在。
住まいの計画。
などなど。
ひとり者には抱えきれない課題や問題が山積しているんだろうなぁ、という想像はつく。
ただ、あくまでも、これらのしがらみは、ひとり者だと自己解決したり、
気軽に社会と呼応して、難局を乗り越えていけそうな気がする。
荷物が少ないのだ。
この立場でなら、自由に夫婦や父親母親に伝えることの出来る「変わったアングルの意見」を受け止めてほしいし、自分もまた受け止める「余白」を準備して、大きな気持ちで接することができそうだ。
お互いを受け止める「器」って大事だと思う。
家族の姿の変化
寺内貫太郎一家もサザエさん一家もビックリな数字である。
祖父母+夫婦(両親)+子ども(孫)の形態が7.7%!
自分の知り合いも母親を「独居老人」と言って別宅にわざわざ住ませている。田舎育ちの昭和児からすると、ライフスタイルって相当変わってしまったんだんぁ、ってつくづく思う。
(後編へ続く)
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