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行ってよかった宿 2022/5 其の弍

こんにちは紅油(ほんよう)です。

引き続き2022/5に行ってよかった宿、パート2をご紹介していきます。

***パート1はこちらから


四季の杜 紫尾庵

#鹿児島県  #紫尾温泉

「日本で一番好きな温泉はどこですか?」私の現時点での回答は紫尾温泉です。

今後上回る温泉が出てくるかもしれません。しかしそれでも紫尾温泉に初めて入った時の感動は何よりも素晴らしいものでした。

かすかに香る硫黄の匂い、pH高めのヌルヌルとした肌触り、高めの湯温。湯の花が舞う薄緑色の湯船・・・

そして極め付けは朝5時に行っても地元の人で洗い場がいっぱいになる公衆浴場の活気のすごさです。

この温泉に浸かれば身体も心もほっこりする私の本当に好きな温泉です。

今回は紫尾温泉にある旅館さんの一つ、四季の杜紫尾庵さんに宿泊しました。

食事: 

夜は会席コース料理、個室でいただきます。

メイン料理の鳥すきをはじめ、あまり他の旅館さんで見かけない料理が多く出され、飽きることがなかったです。

朝は和食 or 洋食から選ぶ事ができます。量はちょうどよく湯豆腐が美味しいです。

温泉: 

上記で言及している通り、泉質は最高です。

含硫黄単純泉ではありますが、湯浴み直後から体の疲れを感じ眠くなってきます。そして寝て起きた後の体の軽さは随一です。

もし紫尾温泉に投宿する機会があれば、必ず、必ず!公衆浴場の「紫尾区営温泉 神の湯」に立ち寄られてみてください。

紫尾温泉組合公式サイトより (http://shibionsen.web.fc2.com/shibi_kuyu.html)

泉質は同じですが源泉からの距離が近いこともあり(源泉はすぐ後ろの紫尾神社の境内、賽銭箱の下から湧出しています!)、より湯温の高いガツンとした湯浴みを楽しむ事ができます。

私は紫尾に泊まる際にはこちらの神の湯に3-4回浸かることにしています。(東京在住なのに回数券を持っているほど頻繁に通っています。)

県外の方は1回200円。1日複数回入る場合は、1日券なるものもあります。

部屋、建物: 

紫尾庵さんで最もおすすめなのが離れの真ん中に位置する庭です。綺麗に整備された植樹の間を小さい小川が流れています。

四季によって景色が変わるのですがいつの季節でも美しい情景を見る事ができます。

夏の夜は特に虫が多めなので、苦手な人は気をつけてください。

部屋の内部はコテージのような作り。各部屋に内湯または露天の温泉がついています。

こじんまりとしていて川の音を聴きながらのんびりしていると仕事のことなど忘れてしまいそうです。

Type A 露天風呂タイプ (公式HP より)
Type B 内湯タイプ (公式HP より)
Type C 内湯タイプ (公式HP より)

アクセス: 

残念ながら紫尾へ公共交通機関でのアクセスは難しいです。車で向かいましょう。

鹿児島市内からは車で1時間半ほど、鹿児島空港からであれば45分あれば着くと思います。


いせえび荘


#鹿児島県

鹿児島なのに伊勢海老??ずっと気になっていたお宿さんです。鹿児島の南側、枕崎から車で20分ほどの場所にあります。

到着すると目の前には開聞岳がどーん!とそびえており圧倒されます。

食事: 

目玉は夕食の伊勢海老フルコース。活け作りから始まり、焼いたもの、茹でたもの、味噌汁などなど、これでもかというくらい伊勢海老が出てきます。

それぞれの料理に出てくる伊勢海老の身は大きくプリプリで引き締まっており、食べ応えも十分です。

(主観ですが)他県で食べる伊勢海老よりもより身が大きくプリプリしている気がします。



温泉*: 

*いせえび荘は温泉ではありません。

大浴場が男女1つずつ。夜は11時まで、朝は7時から入ることができます。

浴槽はタイル + 岩風呂のレトロな感じ。湯温もちょうど良い塩梅に調整されています。

それ以外にも特産のお茶を入浴剤として使ったお茶の風呂や、お茶を使ったシャンプー、ボディーソープなど独特なものが多く楽しかったです。

大浴場 (公式HPより)

部屋、建物: 

部屋は大きくリニューアル客室とスタンダード客室に分かれていますが、どの客室もオーシャンビューで眼下に海を望むことができます。

私はスタンダード客室に宿泊したのですが、正面に海、左手に開聞岳も見ることができロケーションは最高です。

寝るときにはさざなみの音を聴きながら熟睡できます。

アクセス: 

JR指宿枕崎線の「水成川」駅から徒歩15分ほどでアクセス可能ですが、指宿枕崎線自体、本数が少ないのでおすすめできません。

やはりおすすめは鹿児島市内からレンタカーになると思います。車だと鹿児島市内から大体1時間ほどでアクセスできます。

周辺には「二月田温泉 殿様湯」や「鰻温泉」など歴史を感じることができる温泉や、「ヘルシーランド たまて箱温泉」や「枕崎なぎさ温泉」など絶景を拝める温泉が数多くあります。

南薩は公共交通機関でのアクセスがあまり良くないのが難点ですが、ぜひ車を使って足を運ばれてみてください。


山田旅館

#長野県  #小谷温泉

ずっと行きたかった山田旅館さん。江戸時代からの建物に泊まれるとあり、年始から春の営業開始をずっと待っていました。

食事: 

夕食は陶板焼き、山菜の天ぷら、サーモンの刺身などなど・・小谷の地物を集めた料理になっており、お腹がはち切れんばかりに食べました。

特に山菜の種類が豊富で、手元にパンフレットもありひとつひとつ名前を確認しながら味わうことができました。


朝ご飯はご飯を主食に、おかずがフォーメーションのように不足なく用意されているような形でした。

量も適量で満足度が非常に高かったです。

温泉: 

山田旅館は本館近くにある元湯と、別館に位置する外湯の2種類があります。

元湯は男湯・女湯共に内湯が1つずつ。湯口は高いところにあり、打たせ湯のようにドバドバと浴槽に注がれています。

元湯 (公式HPより)

浴槽はそこまで大きくはないですが、頭を預けられる木製の枕のようなものもついており、のんびりできます。

外湯は露天風呂と内湯があります。露天風呂の湯温は少し低め。

ですが、目の前に山なみがどーん!と広がり、新緑の季節はとても綺麗です。

外湯 (公式HPより)



内湯・外湯とも泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉。少し鉄の匂いがします。もちろん源泉かけ流しです。湯温は42℃とちょうど良い温度。

部屋、建物: 

山田旅館は江戸時代に建てられた本館、大正時代に建てられた新館、平成になって建てられた別館があります。

本館・新館含め6棟が平成13年に登録有形文化財に認定されているようです。

江戸時代の建物なんてもちろん泊まったことなどありません。今回は迷わず本館を選びました。

やはり古きよき建物だけあり、趣のある木造建築です。各所に当時から使われていた小物も配置されています。

驚いたのは階段や廊下。当時のまま残されていますが、しっかりしており歩いても軋みが出ません。

流石に廊下と部屋の間は障子一枚しか隔たりがないため物音が響きますが、室内は和室で非常に快適でした。

トイレ・洗面所は部屋にはなく、鍵もついていません(金庫はあります)。

ちなみに泊まった時はちょうど5月でツバメが軒下にきており、日中は非常に騒がしかったです(笑)

アクセス: 

公共交通機関の場合、JR大糸線 南小谷駅からバスで30分。本数が少ないので注意です。

https://www.vill.otari.nagano.jp/kanko/access/bus/download/ukaiunnkoujikokuhyou.pdf

車の場合は糸魚川駅から1時間、もしくは松本駅から2時間程度かかります。

洞門+トンネルだらけの国道148号からさらに県道114号を数km進んだところにあります。

来てみると、よくこんなところに江戸時代から温泉宿があったなと感嘆してしまうくらい、とても山深いところです。

近くにはアルプスを一望できる絶景ポイントもあり、春には多くの人で賑わうようです。

周辺には白馬など立ち寄り湯もたくさんあるため、車をオススメします。

歴史の宿 金具屋

#長野県  #渋温泉

私が初めて重要文化財の温泉宿に興味をもったのは、金具屋さんが大きなきっかけでした。確か高校生の頃にネットで写真を見たときに一目惚れをした記憶があります。

その後は価格帯が高め + 直前だと予約が埋まってしまっているという条件のためなかなか金具屋さんに泊まる機会がなかったのですが、ついに念願叶い今回泊まることができました。

食事: 

一番気になっていた「しぶのじぶ煮」コースにしました。

信州サーモンや山伏茸の土瓶蒸しなど、あまりなじみのない料理が出されたのですが、全て絶品でした。

味つけもちょうど良かったのですがかなりたくさんの料理が出され、最後のご飯は遠慮してしまいました。

メインの「しぶのじぶ煮」は他の治部煮とは異なり、治部煮のとろみをそば粉でつけ、つゆをそばつゆ仕立てにしたものです。

さらに長野産のわさびを入れて香りと甘さを追加しています。本当においしかったです。

朝ご飯はシンプルでしたが、とろろが入っていたりと要所要所でこだわりを感じる料理でした。

温泉: 

金具屋さんには全部で8箇所温泉があります(内湯2箇所 + 露天風呂1箇所 + 貸切風呂5箇所)。全て源泉かけ流しです(すごい、、)。

まず内湯は2箇所「鎌倉風呂」と「浪漫風呂」があります。

鎌倉風呂は、瓢箪の形をした浴槽が中央に一つあるシンプルなタイプ。鎌倉風呂に入った際には是非浴室に着目してみてください。

浴室は木造になっており、格子状の天井や木が組まれている建物の構造を観察しているとまるで寺社仏閣にいるような雰囲気にさせてくれます。

泉質も濁りがあり少し鉄の匂いがする温泉で5分も入ると汗まみれです。

鎌倉風呂 (公式HPより)

浪漫風呂は、ヨーロッパにありそうな噴水のようなデザイン。浴室はタイル+ステンドグラスで西洋風なデザインです。

浪漫風呂 (公式HPより)

露天風呂は建物(神明の館)のてっぺんにあります。かなり大きい浴槽で上を見上げると星が綺麗に見ることができます。内湯より湯温が低いため星をみながら、のんびり長く入っていることのできる温泉です。

露天風呂 (公式HPより)

貸切風呂は全部で5箇所。そのうち3つは「斉月楼」と呼ばれるメイン棟の各階にあります。空いていればいつでも、無料で入れます。

貸切湯 斎月の湯 (公式HPより)
貸切湯 美妙の湯 (公式HPより)
貸切湯 恵和の湯 (公式HPより)
貸切湯 子安の湯 (公式HPより)
貸切湯 岩窟の湯 (公式HPより)

金具屋さんの各お風呂(内湯、露天風呂、貸切風呂)はそれぞれ異なる泉質になっており、希望者には毎朝8:30~源泉見学ツアーなるものがあるようです。気になる方は是非。

そして忘れてはいけないのは渋温泉には外湯めぐりのシステムがあります。

外湯は全部で9湯。渋温泉の宿泊者には外湯の扉を開けることのできる下記のような鍵が渡され、滞在中はどこでも入ることができます。

それぞれ泉質が若干異なるようで、効能もバラバラです。

自分が気になる効能のある外湯を狙い撃ちするもよし、全てめぐってシワシワになるもよし。

ちなみに温泉街ではこんな手ぬぐいも売っていて、各外湯を回ってスタンプを押して集めていくこともできます。やっぱり外湯めぐりは楽しいです。


部屋、建物: 

(私の憧れだった影響も大きいですが)やはり1番の魅力は建物にあります。

中心にある建物「斉月楼」は昭和初期(昭和11年)に建てられた木造建築で外観・内部ともに当時の面影を残しています。

ここまで大きな建物で温泉旅館として現役で使用されているものは日本にもなかなかないのではないでしょうか。

建物外部も内部も本当に綺麗でした。文章で詳しくは説明せず、写真を少しだけ共有させていただきます。

気になられた方は是非実際の目で見て確かめられてください。

希望者には毎日夕方17:30 ~ 金具屋文化財めぐりというツアーが開催されており、文化財に登録されている建物内部を、説明を受けながら回ることができます。

アクセス: 

渋温泉は少し行きづらいところにあります。湯田中温泉駅までは長野電鉄。そこから渋温泉までは2kmほど。15~18時までに駅に到着すれば送迎車が駅で待ってくれています。

歩くと30分ほどかかりますし、渋温泉までは登り坂が続きます。自信のない方は駅から送迎またはタクシーに乗りましょう。

以上今月もありがとうございました。


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