平和の未来に危機感を持った地域住民
Vol 20 日本 地域団地住民 戦争反対運動
「九条の会」って何?憲法第九条とは?
これらの言葉は、日常生活の中でテレビや新聞に頻繁に登場しますが、私が耳にしたことのあるニュースワードに過ぎません。
前号で、長年「九条の会」の活動に携わり、戦争に断固反対している高齢の堀秀夫さんを紹介しましたが、新聞で彼のことを読んで、これまでわかっていなかったことを明確にする必要があると思いました。
「九条の会」は何をする組織?
私は日本国憲法を読んだことがなかったのですが、インターネットで調べてみると、有名な条文のひとつに第九条があり、本質的に「戦争をする権利は放棄する」と書かれていることだと知りました。
2004年6月、ノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏(3月に88歳で死去)をはじめとする文化人ら9名が「九条の会」を設立しました。 設立時の声明文は、公式HPでご覧いただけます。
より多くの人が憲法九条の意味を理解し、九条改正反対運動に参加するために、「九条の会」は国民に呼びかけました:
日本各地の市区町村・丁目・学区、職場・学園で、「九条の会」の呼びかけに賛同する人々が続々と身近にいる仲間と集まり、全国に7,500を超える「九条の会」が誕生ました。
思想・信条・政治的立場の違いを超えて、日本国憲法9条のすぐれた意義と改憲案の危険な内容を学び、その理解を一人でも多くの人に広めることを共通の目的としていました。
人口13万人を超える瀬戸市には、地域住民、職場仲間、大学内の同僚、商店街のたこ焼き屋などの店主、ゴルファー仲間、陶芸家などそれぞれ個性のある九条の会を結成し、30個以上ありました。
堀さんの所属する「ひしの九条の会」は、同じ団地の住民で構成された集まりでした。 会の間は相互に情報や経験を交流し、協力しあいますが、同じ形式パターンの活動ではなく、それぞれが自分なりの考えと方法で活動していたそうです。
地域九条の会がどのように運営され、どのような成果を上げているのか、ネットではそれに関する詳しい情報は見つけられませんでした。
答えを知りたい私は、堀さんと「ひしの九条の会」代表の太田智恵子さん、副代表の高橋満治さんにお会いしました。
3人とも瀬戸市の菱野団地の住民で、2006年に自分の団地を拠点とする「ひしの九条の会」を数十人の住民と立ち上げました。
草の根の民衆ムーヴメント
高橋さんは、これまで発行した会報をいくつか持ち出し、それを見せながら活動の形態を説明してくれました。
ひしの九条の会は、菱野団地にある光陵中学校学区の人々を対象にして活動を行っています。月ごとに3つのイベントを開催しています。
一つ目、憲法学者や法律の専門家による講演会やセミナーへの参加、あるいは体験者と交流
二つ目、戦争や平和、その関連テーマの映画上映会(国内外映画、ドキュメンタリー)
三つ目、戦争や社会問題に関連する建物や施設、現場の見学会
また、活動の柱の一つとして、年に4期全戸配布ニュースを発行しています。会報は、日本と世界平和、日本社会の行く末などの問題を軸に、住民が歴史を理解し、現実に直面し、未来を考えることができるような紙面を工夫しています。
例えば、会員の戦争体験や戦争を知らない世代の思いを取り上げ住民の生の声を届けます。本や絵本の紹介やマスコミやテレビで活躍する有識者の見解や言葉を抜粋して紹介したりと読者が親しみやすい形となっています。
太田代表は、毎号の編集に際しては、コアメンバーが集まって、記事の内容を重ねて議論することを説明しました。
会員には、元大学教授、医師、元教員、公務員、自営業者、主婦など定年退職者を中心に、さまざまな立場の人がいます。
時間がある人は具体的な仕事を分担し、時間がなくても組織の運営について提案や考えのある人はシンクタンクの一員となります。
また、名前を公開してもいい人と匿名希望者の共存で、さまざまな形で会の運営と持続に携わっています。17年間基本的な運営の方法を変えることなく、コアメンバーを中心に今まで貫いてきたそうです。
活動場所は自分たちの生活地域で、活動方法は草の根の運動で、会員たちがボランティアの献身的な努力によって、活動は17年間も続いてきました。
"活動資金はどうなっているのか?" 地域住民の反応はどうなのか? "なぜこれほど長く続いているのか?"
これは、多くの社会運動が直面する共通の課題です。
(続き)
この文章の中国語バージョン
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