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氷見野流「告白」論、思いは通じたが…=皮肉にも「望ましくない」形に

 日銀が24日の金融政策決定会合で、追加利上げを決めました。金融市場には織り込み済みの結果であり、今回の氷見野副総裁らによる情報発信はサプライズを与えない、という意味では対話に成功にしたと言えるでしょう。ただ、氷見野流「告白」論に照らすと、今回の情報発信は日銀が望んだ形にはなりませんでした。詳しく解説します。

 まず、年初以降の情報発信のプロセスを改めて振り返ってみます。口火を切ったのは、冒頭に紹介した氷見野副総裁の神奈川県経済懇談会での挨拶です。この挨拶・会見は、昨年12月上旬に予定が発表されました。今回、利上げを決めた決定会合(23~24日)の直前のタイミングであり、予定を公表した直後には利上げ観測を招きました。

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