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【マラソン】レース中の水分補給、糖質補給【ヒルクライム】
マラソン、ヒルクライムレース中の水分補給や糖質補給を最適化するために、少し勉強をしました。
下の2冊をネタ本にしました。
ENDURE 限界は何が決めるのか?は、Breaking 2のプロジェクト含めて、耐久力向上にはどのような要素があるのかを実例をもとに解説した本です。
スポーツ栄養学は、糖質、たんぱく質、脂質、水分などがどのように作用するのかを、細胞や分子レベルで説明している本です。こちらは、やや骨太の本です。
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レース中の補給について
水分補給
走っている最中、1時間あたり約1Lの水分しか胃から小腸に送り込めません。たくさん飲んでも胃の中で動くだけで、水分の補給にはなりません。
気温20度なら、体重の2%の発汗はあまりパフォーマンスに影響を与えません。(体重60kgの場合、1.2L)。3~5%で影響が出始めるようです。
摂取した水分が体内に取り込まれ、効果が出るには40分かかります。フルマラソンであれば30km地点くらいの水分補給が最後でいいのかもしれません。
発汗による水分量の減少よりも、のどの渇きを避けることがパフォーマンスには重要です。
のどを液体が流れ落ちる感覚が、のどの渇きをいやし、パフォーマンスを維持します。
糖質補給の必要性
フルマラソンでは30km〜35kmで体内のグリコーゲンが枯渇します。そのため途中で補給が必要になります。
給水からの糖質補給
糖質濃度8%の飲み物が、糖質の摂取効率と水分の摂取効率のバランスが最良です。
また、6~8%で持久系スポーツのパフォーマンスがアップします。
なお、ポカリスエットの糖質濃度は5.7%です。
スポーツドリンクはハイポトニックではなく、アイソトニックのほうが水分吸収の効率が優れます。
ジェルなどからの糖質補給
糖質を吸収できるのは1g/min(60g/時間)です。
グルコースだけでなくフルクトースも含まれていると1.8g/min(108g/時間)まで吸収できます。その場合のグルコースとフルクトースの割合は2∶1です。
高濃度の糖質や、マルトデキストリンを消化吸収するのはトレーニングが必要(慣れが必要)です。
糖質の精神的効果
1時間以内の運動では糖質が枯渇することはないので、糖質の補給は必要はありません。
ただし、糖質が体内に十分残っている状態でも、糖質をとると脳の報酬系が刺激されパフォーマンスがアップします。
糖質6%のドリンクで口をゆすぐだけで効果があります。
レース前の補給について
水分補給
スタートラインに立った時、きちんと水分補給ができていることが重要です。
スタート3時間前にスポーツドリンクを1本、1時間前にさらに1本飲んでおくといいようです。
糖質補給
スタートの30〜45分前に糖質を補給すると血糖値が上がり、そしてスタートと同時にインスリンにより血糖値が下がり、パフォーマンスが下がります。
これを防止するためには、スタートの1時間から1時間前に補給する、もしくはスタート直前に補給する必要があります。
グリコーゲンローディングには、通常よりも多くのグリコーゲンを体内に貯蔵するという効果があります。マラソンなどの運動中に体内のグリコーゲンが枯渇する可能性があるスポーツには有効です。
ただし運動時間が1時間以内の運動ではグリコーゲンは枯渇しないので、グリコーゲンローディングは必要ないと思われます。
さらにグリコーゲンローディングにより体重が増えるのでマイナスになるか場合もあります。
本は読んだ。それではマラソン、ヒルクライムレースでどうする?
私の走力はフルマラソンで3時間15分くらい、富士ヒルクライムレースで1時間10分くらいです。
上の内容を自分のマラソンやヒルクライムレースに生かそうとすると、次のようになります。
レース中の補給
私の場合、マラソンでは、強度や気温にもよりますが、水分補給はそれほど必要ではないのかもしれません(のどが乾いたら飲む程度で十分)。ガーミンによると先日のハーフマラソンでの発汗量は552mLでした。
ただし、エイドで5kmごとにスポーツドリンクを一口ずつ飲み、糖分を感じることでパフォーマンスが上がることを期待します。
また、糖分補給として45gくらいのジェルを1時間に1本摂取します。(1時間経過時、2時間経過時)
ロードバイクのヒルクライムレースであれば、水分補給は不要です。ただし、糖質を感じるために、炭酸抜きのコーラをフラスコに入れて背中のポケットに入れます。
実際に、昨年の富士ヒルではボトルレスで背中にフラスコでした。気分転換のために、2度フラスコから飲みましたが、飲まなくても問題なかったと思います。
ジェルでの糖分の補給はしません。
レース前の補給
マラソンでもロードバイクのヒルクライムレースでも、スタート数時間前には糖質を中心とした朝食を終わらせます。(昨年は富士ヒルでは、バナナとinゼリーとマルトデキストリンのドリンク)
マラソンの場合は、糖質補給のために、スタート1時間前にジェルを1本摂取します。
また、水分補給のために、現地までの移動中にペットボトル1本、現地に着いた後に何度かに分けてペットボトル1本の水分を飲みます。
ロードバイクのヒルクライムレースでは、体重が増えることを避けるために、グリコーゲンローディングは行いません。
マラソンは微妙ですが、今のところ、しっかりとしたグリコーゲンローディングではなく、前日の食事を炭水化物多めで意識するくらいにしてみます。
マラソンについては、まだ試していないことも多いので、実際に試してみて最適化していこうと思います。
参考にした2冊の本は、どちらもいい本なので読んでみてください。
ENDURE 限界は何が決めるのか? ついてはこちらのnoteもよろしければ読んでみてください。