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ランニングは距離走が8割

先日、フルマラソンを走りましたが、30kmで脚が終わり、最後は歩きながらゴールしました。
30kmまでは完璧なペースで走れ、補給もしっかりしていましたので、42km走れるだけの脚ができていなかったのが敗因だと思っています。

10月から走り始め、各月の走行距離は下のとおりです。

10月: 243km
11月: 181km(ハーフマラソン1回を含む)
12月: 171km(ハーフマラソン1回とフルマラソン2回を含む)
1月: 140km(最後のレースを含まず)

私としては、かなりの距離を走ったつもりでしたが、一般的には3時間10分をめざすランナーとしては少ない距離のようです。
もっと距離を踏んでいるべきでした。

今シーズンのマラソンは終わりにしますが、来シーズンのトレーニングのために、「ランニングは距離が8割」という本を読みました。


有酸素エネルギー供給系と無酸素エネルギー供給系

エネルギー供給システムには無酸素エネルギー供給系(クレアチン系と乳酸系)と、有酸素エネルギー供給系に分けられます。

運動の強度によって変わりますが、5000m走ではエネルギー供給の割合は下記のようになります。
・無酸素系30%(クレアチン系: 5%、乳酸系: 25%)
・有酸素系: 70%

各エネルギー供給システムは、それぞれのエネルギー供給システムを使うトレーニングをすることで改善します。
マラソンで使う持久力を向上させるには、有酸素エネルギー供給システムを使うトレーニングを行い、それを向上することが特に重要になります。

VO2maxと乳酸閾値

VO2max

VO2maxは最大酸素摂取量の略で、身体が1分間に摂取し使用できる酸素の体重1kgあたりの量です。
有酸素能力の上限の指標として使われます。
トレーニングにより10~20%の向上が可能です。

乳酸閾値

乳酸閾値は運動強度の増加に伴い、血中の乳酸の濃度が急上昇する強度です。
持久力の指標として使われます。
トレーニングによりVO2maxよりも改善の余地が大きいです。

マラソンなどの長距離種目ではVO2maxよりも乳酸閾値が重要な指標となります。

LSD(Long Slow Distance)

LSDとは比較的低い強度で長時間行うトレーニングです。
強度は会話ができるペース、最大心拍数の65-75%程度のペースです。レースのペースよりも20-30%低いペースになります。
時間は60分以上、もしくは2-3時間以上です。

LDSには下の効果があります。

  • 有酸素能力の向上

  • 脂肪燃焼能力の向上

  • 筋持久力の向上

  • 関節や靭帯の強化

  • 精神的な強さの向上

  • フォームの改善

  • 回復力の向上

高強度トレーニングとの比較

  • LSDは、持久力の基礎となる能力を広範囲によって向上させますが、高強度トレーニングは、より特定の能力を短期的に向上させます。

  • LSDは、長時間の運動に必要なエネルギー代謝を向上させますが、高強度トレーニングは、短時間の高強度運動に対応するエネルギー代謝を向上させます。

  • LSDは、頻繁に実施できますが、高強度トレーニングは、回復時間が必要で実施する頻度に制限があります。

  • LSDは、フォームの改善と定着に効果的ですが、高強度トレーニングは、レース特有の技術向上に役立ちます。

  • LSDは、長時間の精神的な強さを向上させますが、高強度トレーニングは、短時間の集中力を向上させます。

  • LSDは、効果が表れるために数週間から数か月かかり、トレーニングの効果が長く持続しますが、高強度トレーニングは、数日から数週間で効果が表れ、トレーニングの効果の持続時間が短い傾向があります。

トレーニングの8割をLSDにあてることで、持久力の基礎となる能力を広範囲に、効果的に向上することができます。
残りの2割では高強度トレーニングを行い、この基礎の上にレースのための能力を向上させます。

効果的なLSDの方法

ペース:
会話ができるペース。最大心拍数の65-75%程度の強度

距離:
1回の距離は週の総走行距離の30%を超えないこと
週の走行距離が50km(月間200km)の場合、50km x 30% = 15kmが、1回の走行距離の上限

頻度:
週に3-5回のLSDが有酸素能力の向上に最も効果的

トレーニングプログラム

初心者向け

  • 週2-3日はLSD(最初は1-2kmから始めて、徐々に距離を延ばす)

  • 週1日はウォーキングと徐銀の組み合わせ(20-30分)

  • 目標は12週間で5kmを完走できるようになること

中級者向け

  • 週3-4日はLSD(90分 x1回、45-60分 x2-3回)

  • 週1日はインターバルトレーニングまたはテンポラン(30-40分)

  • 目標は16週間でハーフマラソンを完走できるようになること

上級者向け

  • 週4-5日はLSD(120-150分 x1回。60-90分 x2-3回、回復走 x1回)

  • 週1日は高強度インターバルトレーニング(40-50分)

  • 週1日は坂道トレーニングまたはテンポラン(50-60分)

  • 目標は20週間でフルマラソンのタイムを更新すること

まとめ

「マラソンで必要な持久力は、低強度でコツコツと積み上げる必要がありますよ」という趣旨で、距離を踏めていなかった私に刺さりました。
10月から4ヶ月で距離も踏まずに、タイムを出そうというのは甘かったと再度自覚しました。
来シーズンはもう少し早いタイミングから距離を積み上げます。

この記事では、私が気になった点のみまとめましたが、本書ではエネルギー供給システムやトレーニングの効果などがかなり詳しく書かれていました。
LSDの効果について、同じようなことが繰り返し書かれていて読みにくい部分もありましたが、ミトコンドリア密度の向上とか遅筋繊維の増大など、細かいところも書いてあり、勉強になります。

興味のある方はぜひ読んでみてください。

特に、私のようにLSDがあまり好きではない人は読んでみてください。
LSDをするモチベーションになるかもしれません。

私の今シーズンは終わりましたが、春までレースに出る方は、引き続きトレーニングを頑張ってください。

脚づくりについては、こちらの記事も読んでみてください。

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