新卒就職・学歴に関して多様性が薄れる日本社会

ここ10年くらい日本でも多様性を重視するようになった。趣味、ジェンダー、生活に関しては、昭和や平成中頃と比べて、規範意識が薄れてきた。

変化の激しい時代だと、その時々によって、何が良いか悪いかの基準が変わってくる。
そもそも、善悪の判断も人それぞれだし、
数十年に渡って支配的な価値観が少なくなっていくのは当然。

良くも悪くも、生き方の選択肢が増えた。
にも関わらず、新卒就職・学歴に関しては、多様性が見られない。
むしろ、平成に入ってから多様性に乏しくなった。

最近の若者世代は、大学進学率が50%を超えている。そろそろ、60%台に突入する勢いである。
一見すると、大学まで進学する若者が増えることは、社会にとって良い状況であるように感じられる。
ただし、この状況は中卒・高卒・専門卒で社会に出る選択肢を確実に減らしている。
若者の数は一定だから、何かが増えれば、何かは減るのだ。
ここまで大卒が増えると、大学卒業して就職が半ば義務と言ってもおかしくない状況となる。

90年代後半までは、大卒よりも高卒で就職する若者が多かった。70年代中盤までは、中卒で就職する若者も10人に1人は存在した。

確かに労働市場においては、農林水産業や製造業の需要は減っている。いわゆる第三次産業が中心。産業構造は変化しているから、社会に必要な人材の種類も変わる。
しかしながら、そういう状況だからといって
大卒で就職する人を必要以上に増やす理由とは結びつかない。関連性も必要性も無い。

バブル崩壊後の30年間、
大学教育の社会への効果を検証せず、むやみやたらと大卒を増やしてきた。
(効果があるとすれば、大学や予備校が儲かるくらいですかね…)

最終学歴の中央値を上げることではなく、社会に貢献できる人間を増やすことに意味がある。

高校や専門学校でも、仕事につながるスキルを持つ若者をもっともっと育て上げましょう。
そして、企業は(特に有名企業・大企業の総合職採用では)、大卒以外の若者をもっともっと採用しましょう。



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