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人材を活かす企業の研究
人をコストと考えて失敗した米国銀行の事例
この投稿では、人材を活かす企業が、実際に収益性や株価などにどのような影響を与えるのか?について、文献の内容を参考にしながらまとめてみます。
近年の日本は、バブル崩壊以降、人をコストと考えて、賃金を上げない、昇進させない、という事をやり続けていますが、人をコストと考えた米国銀行が失敗した事例が報告されています。
米国銀行はテクノロジーに莫大な投資をし、臨時社員や契約社員を沢山雇いました。
その結果として、全体の離職率が22%に上りました。同時期の日本の離職率は8.4%でした。
預金、クレジットカード、ローンなどの市場シェアはどんどん低下していきました。
一方で、ドイツ銀行は、人材育成に多額の投資をしました。
全業種の平均教育費の2.5倍を投資しました。
その結果として、高度な金融アドバイスやサービス、販売窓口の一本化などで高い競争力を得ました。
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企業の人材育成が収益性や株価に影響するデータ
マーク・ヒュースリッド調査研究、というものがあり、3452社を対象にアンケート調査を行っていました。
従業員のスキルと組織構造とモチベーションについて調査をし、これを組織力の指標とし、収益性や株価との関連性を調べました。
組織力の指標が上がる事により、離職率は下がり、売上は上がり、株価も上がり、利益も上がる、という調査結果が得られました。
このように、人材育成をすることにより組織力を上げれば、膨大な利益に繋がる事が明らかになりました。
同業他社と比べて、長期的に高い株主利益を生み出していました。
一方、日本企業はひたすら貯金にまわし、人材投資や研究開発投資にお金を回さない、という事をやり続けているために、競争力が低下し、貯金を食い潰して利益も出ない、その結果として賃金を上げられない、という構造になっています。
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経営と企業の5年間存続率の関係
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