自分のことを他人事のように捉える思考法

前回紹介した『マッピング思考』およびストア哲学を学んでいて思ったのだが、他人事のように考えるというのは結構ありな気がするという話。既に実践しているわけだが。

ビジネスの世界ではよく「自分ごと化」なんてことが言われる。仕事を言われたからやっているというような他人事ではなく、自分事として責任をもってやれというように。

これの発想自体に文句をつけるつもりはない。だが世の中には自分事よりも他人事として捉えた方が適切な判断をできることも多いという話だ。

エピクテトスは物が壊れた時の心情を例に出している。子供がうっかり盃を壊してしまった時、それが他人の家の話ならば「そんなのはよくあることだ」と冷静に受け止められる。ならば自分の家で起きたとしても、同じように冷静に受け止めるべきではないか、と。もちろん多くの人はそのような態度を取ることはできず、壊れたことを嘆いてしまうのだが。

この後もエピクテトスは喪失について他人事のように受け止めることを勧めるが、これは他の場面でも言えるだろう。しがらみのある状況で判断する場合とか。俺の好きな事例は、『マッピング思考』でも紹介されていたインテルがメモリ事業から撤退した話だ。

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