20170612_骨先生-060

インストラクター、トレーナーの仕事とは?

Chapter1 基礎知識
1・インストラクターやトレーナーの仕事とは、その定義について

こんにちは。骨先生こと柴田郁恵です。

今日はインストラクターやトレーナーと呼ばれる運動指導者の仕事内容やその定義についてお伝えしていきます。

【インストラクター、トレーナー急増時代】

今どき、都会でも田舎でもフィットネスクラブがない街はない!というくらいに民間、または公共の運動施設が充実していますね。私が住んでいる東京都三鷹市も2017年に新しいスポーツ施設ができて、運営は指定管理者制度でセントラルスポーツ(株)さんが入っています。ご自身のお住いの市町村ではいかがですか?フリーで活動している、または活動していきたい方は、これを機に調べてみるのもいい勉強かと思いますよ。ちなみに、日本のフィットネスクラブ売上高上位15社の業績推移についても(店舗数も載っています)知りたい方は以下のフィットネスビジネスさんの記事を参考にしてみてください。

これだけ全国にたくさんあるフィットネスクラブですから、そこで運動指導している指導者もこの10年ほどで急増しています。かつてのバブル時代に全盛期だったエアロビクスインストラクターだけでなく、2000年頃からはヨガやピラティス等に代表される調整系プログラムのインストラクターも増えはじめ、さらにここ数年はライザップ等の個人指導型の店舗も急増しているため、社内での指導者養成を急いでいる企業もあるようです。

【インストラクターとトレーナーの違いとは?】

ところで、前置きが長くなりましたが、今この記事を読んでくださっている方の中で、もしもインストラクターとトレーナーという言葉の違いがよくわからない、同じじゃないの?と思う方がいましたら、以下のように補足するので今後は区別して考えてみてくださいね。運動指導の仕事を理解する上で、基本的なことなのになぜだかわざわざ習う機会がないため、知らない人が多いのです。

インストラクター = 大勢への指導をする人(1:複数人)
トレーナー    = 個人への指導をする人(1:1)

きちんとした定義がないのですが、フィットネスクラブでは概ねこの分け方です。さらにわかりやすく言うと、インストラクター(グループエクササイズインストラクター)トレーナー(パーソナルトレーナー)となります。ただし、文字数が多くなるので、私も普段から省略して使っています。

さて、今回お伝えしたい大事なことは、インストラクターとトレーナーには、指導する人数以外にも業務内容にたくさんの違いがあるということです。一般的なお客様はもちろんのこと、新たに資格を取得しようとしている方でさえも、その業務内容の違いを知らないことが多く情報が混在しているのが現状です。これは、この数年間フリーで活動したいと希望される方から相談を受けてお話してきた中で、より一層感じたことです。

【それぞれの仕事内容について】

▼指導する人数や実施規模

インストラクターの場合、先程の項目で述べたようにまずは、指導する人数が複数であることが原則です。それが少人数であっても、大人数であっても特に定めはありません。一般的に個人サークル運営等では10名程度、大型フィットネスクラブ等では30〜50名程度と、大きなスポーツイベントなどでは100名になることもありますから、現場によって規模的に見てもかなり開きがあるのも事実です。毎回10名に教える仕事と、100名に教える仕事といったら極端ですが、ぜひ自分の目指す現場をイメージしてみてください。

トレーナーの場合、これは1対1の個人指導が原則です。ただ、最近は1:2、1:3などの数名を1人のトレーナーが指導することもあります。その場合、友人同士やカップルの場合もあるようです。しかし、この記事の中では混乱しないように1:1の形式にフォーカスして解説をしていきますね。

▼目的とその明確度合い

インストラクターが提供するグループエクササイズの場合、参加者の目的は非常に多種多様です。多くの場合、月会費を納めていれば何のレッスンでも参加し放題というシステムが主流なため、そのレッスンを受けたいのか、それともたまたまその時間に都合が良かったのか、はたまたインストラクターの追っかけか・・・こちらで把握することは容易ではありません。さらに、参加者の年齢や運動歴、既往歴等の個人情報も聞いて確認することは原則ありません(もちろん配慮したアナウンスはしますが)ですから、個々の目的も個人情報もインストラクター側の手元にはない状態でサービスを提供するのですから、なかなか大変な仕事だなと書きながら改めて気づいてしまいました。また、グループエクササイズ指導の現場において、参加者の目的は不明確な場合も多いため、インストラクター側で導く必要があるのも現実です。例えば、「このレッスンでは、ポッコリお腹を解消するエクササイズを行います」とはじめにいえば「あぁ、それいい!やってみよう」などと思うわけです。これは、参加の目的が曖昧な方にとってはモチベーション維持のためにとても大切な要素(目的の明確化)です。もちろん、はじめからコレといった目的を持って参加されるお客様はそのまま尊重してあげてください。

対してトレーナーが提供するパーソナルトレーニングの場合、ほとんどの場合ある程度明確な目的を持ち、いつまでに達成したいと具体的な数値をイメージしてお申込みされる場合が多いです。ここで、あえて「お申込み」と書きましたが、近年流行りのパーソナルトレーニング専門スタジオだけでなくフィットネスクラブでも1:1の指導は基本的に月会費にプラスαのレッスン料を支払っての個別希望者制です。(中には会費の中に含まれる形態もあります)つまり、グループエクササイズと比較するとわざわざ申し込みをして高額を支払うからには、とりあえずでやってみようと思う方は少ないのです。ちなみに、ここでいっている1:1の指導とは、入会時のオリエンテーション等でよくある、アルバイトスタッフ等による無料の個人レッスンとは区別して説明しています。ある程度明確化された目的を持った方に対して、さらにカウンセリングで個人情報についても聞き出すことができますので、目的に対していくつかの手段を提案できることが、トレーナーとして腕の見せどころですね。

▼各サービスの提供期間

次にどのくらいの期間(時間)サービスを提供するのか、ということがレッスンの内容を左右していきます。まず、グループエクササイズを指導するインストラクターの場合そもそも目的が不明確な参加者も多く、また参加すること(例えば定期的にカラダを動かすこと)自体が目的の場合もあります。ですから、それが調整系プログラムのヨガ、ピラティス、有酸素系プログラムのエアロビクス、何のジャンルであっても原則として1回のレッスンで完結することを念頭に置き、構成していくことが重要です。もちろん本音をいうなら、毎回のレッスンに出て継続していただいたほうが運動効果は格段にアップしますが、そもそもそこまでのモチベーションがないのもよくあることなのです。ですから、インストラクターは次回の参加へのモチベーションが保たれるような指導を工夫しなくてはなりません。指導方法については、別の記事で追々書いていきますね。

対して、パーソナルトレーニングの場合にはカウンセリング等で、目的意識の確認や個人情報等を獲得しているわけですから、自ずと目標達成までの期間がみえてきますね。双方のスケジュールを調整しながら期間を話し合いスケジュール管理をしっかり行えばいいわけです。ですから、1人のお客様に対してどのくらいのサービス提供期間が必要かはグループエクササイズに比べると明確です。

ここまで書いていて、どうもグループエクササイズインストラクターの仕事がなかなかヘビーに思えて仕方ない気がしますが、どちらの仕事が自分に向いているかを考えるきっかけになれば嬉しいです。

長くなってしまったので、次回以降の記事では、インストラクターとトレーナーそれぞれの仕事の資格制度や、適性、特徴をもう少し掘り下げてみたいと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。

もしまだプロフィールを読んでいらっしゃらない場合にはこちらからどうぞ。

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