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川越ご当地小説がアツい!『菓子屋横町月光荘』シリーズ

本で破産する覚悟はできていませんが、本が好きです。
こんにちは、永遠の図書委員ユルワです。



最近ご当地小説が気に入っている。
学びのための読書にはエネルギーが不足しているけれど、活字には触れていたい。そんなときには小説やエッセイがちょうど良い。


だけど内容によっては物語に入り込みすぎたり、感情が揺さぶられすぎてしまうから、よく選ばないといけない。

そんなときにはご当地小説がぴったりだ。


その理由は、実在の土地、特になじみのある土地が舞台なので、それだけで物語の世界を楽しめるから。読み進めながら、その土地が脳裏に蘇るので臨場感が増すのである。


例えば今回ご紹介の月光荘シリーズは、小江戸川越を舞台にしている。


「家の声が聞える」そんな力を持つ大学院生を主人公に、ひょんなことから川越の菓子屋横町にほど近い古民家を中心に、現在でも古い建物が保存されている川越の町を舞台にした物語が綴られていく。全6巻。


川越はなじみ深い町でもある。パワースポット巡りをすることもあれば、去年の秋にも友人と川越食べ歩きを楽しんだ。実はこの小説シリーズは、そんな川越からの電車に乗る前の時間つぶしで入った駅ビル書店で見つけたのである。


表紙の淡くも美しい色彩世界にも心惹かれた。「菓子屋横町って、さっき行ったところだよね?」そう思いながら手に取ると、案の定川越が舞台のご当地小説だったというわけ。



関東大震災や東京空襲を経て、首都圏は関西と比べて古い建物が余り残っていない。それでも被害の少なかった川越は、小京都と呼ばれるのにふさわしいほど古都の趣を醸し出している。週末こそ観光客でごった返すが、平日の午前中は静かなものだ。


そんな世界観を大事にしつつも、筆者の抑制の効いた文章力を持って「不思議な力を持つ青年」のご縁の話が小気味よく進んでいく。20代前半の若者が主人公であっても、小江戸の世界観と仙人のような主人公のキャラ、そして周囲の大人達のいぶし銀的な魅力のおかげか、大人が読んでも違和感がない。


これは全巻制覇したいと思った。

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