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冷蔵庫は、どうしてものを冷やせるの。6歳からの質問。
どんな質問が来ても、わからないことについては、「わからない」とちゃんと言えるし、「じゃ、調べてみよう」と、すぐに調べて解決できる。今の時代、そんなものはスマホでちゃちゃちゃだ。そう信じていた。
「冷蔵庫は、どうしてものを冷やせるの。」
6歳の子供にきかれた。
うん。よくわからない。検索だ。
なんとなく、こういうことかなぁっていう情報は、スマホで見つかるんだけど、結構難しい。冷媒、気化熱、液化、そして、ボイル=シャルルの法則。言葉の響きだけが懐かしい。
ネットで落ちている子ども向けの説明では、注射をするときに、腕に塗ってもらうあれ、ヒヤッとするよね、それは、塗られた水みたいなのが、空気の中に見えない湯気になって消えていくときに、からだの熱をもっていってるからだよ。そのしくみをつかっているんだよ。という気化熱の話で、大体説明が終わってる。でも、それじゃあ納得がいかない。冷蔵庫に常にアルコールを塗りたくっているわけでも、常に水をかけてるわけでもないのに、どうやって気化熱の力を使ってるんだよ、という話だ。
「えーっとねぇ」っと私が自分の中でかみ砕いている間に、聞いた本人は飽きてしまって、違う話題に移っている。
なんとかうまく整理して、改めて説明するぞ、と決意したけど、やっぱり結構難しい。冷蔵庫考えだした人、天才だ。
整理してみよう。
・冷蔵庫の中と外は、一本のパイプでつながっている。
・その中をぐるぐると回っているやつ(冷媒)がいる。
・そいつが、冷蔵庫の中の熱を外に運び出してくれる。
どうやって、熱を運んでくれるのか。
・水みたいな液体になった「れいばい」が冷蔵庫の中に入ってくる。
・冷蔵庫の中で、「れいばい」をおさえる力をやさしくしてあげる(圧力を下げる?)と、冷たくって、空気みたいな気体になる。
ここ、ちょっと無理やり感があるけど、我慢して聞いてもらおう。
・その冷たい空気みたいなのが冷蔵庫の中のパイプを通って、まわりを冷やしてくれる。
・冷えるっていうことは、冷蔵庫の中の「ねつ」が、「れいばい」に持っていかれるってことね。
・それで、ちょっと温まった気体の「れいばい」が冷蔵庫の外に出てくる。
・それを今度はぎゅうぎゅうにおさえ込んで、熱くする。
・ものは、おさえると熱くなって、ゆるめると冷たくなるんだって。
ボイル=シャルルの法則
・で、熱くなった「れいばい」を、冷蔵庫の外側のクネクネしたパイプの中でウロウロさせて、冷やす。
・お風呂の湯気が、窓とか壁についたら水に戻るみたいに、「れいばい」も冷えて、水みたいな液体になる。
・そしたら、また冷蔵庫の中に入る。
・これがグルグル続いているから、冷蔵庫の中は、冷やされる。
これでいいかな。どうかな。
あまり自信がないまま、6歳の子どもが落ち着いている時間を見計らって、「昨日の冷蔵庫のことだけどさ」と持ち出してみた。
まだ興味を持ってくれているようで、聞く態勢を整えてくれた。
「冷蔵庫の中と外は、一本のパイプでつながってててね。その中をぐるぐると回っているやつ(冷媒)がいてね。それが、冷蔵庫の中の熱を外に運び出してくれるんだって。」
と、前段階の説明をしたところで、
「へぇ!すごいね。そうやって冷やしとるったい。」と感心されて、終わってしまった。
「それがね、なんで連続してできるかっていうとね。」と、頑張って続けようとしたけど、「もう、わかったよ」と、次の話題に移られてしまった。
一応は納得したみたいだから、とりあえずは、解決でいいのかな。