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不登校の子に「学校に行ってほしい」は逆効果?親ができるサポートとは

はじめに

1ヶ月ほど前に、「不登校のお子さんに絶対言ってはいけない!時期別NGワードリスト」という記事を公開しました。

前回の記事では、不登校期間の中の「時期」を

①不登校が始まったばかりの時期
②不登校が続いている時期
③不登校から次の一歩を考える時期


の3つに分けて解説させて頂きました。「学校に行ってほしい」と思うのは当然のことですが、その伝え方によっては逆効果になってしまうこともあります。

この記事では、この中の「③不登校から次の一歩を考える時期」に、親御さんがどのような言葉をかけ、どのようなサポートをすればいいのか解説させて頂きます。


不登校の背景と、子どもの自己肯定感の低下

まず、不登校の原因はさまざまです。

  • いじめや友人関係のトラブル

  • 学習の遅れや成績不振

  • 学校の環境が合わない(先生との相性、校則の厳しさなど)

  • 身体的・精神的な不調

  • 家庭環境の変化(両親の離婚、引っ越しなど)

  • 本人も理由が分からないが、なんとなく行きたくない

このように、不登校の背景にはお子さんにとっての大きなストレスや悩みが隠れていることが多く、「学校に行けない」という事実自体がさらに子どもを苦しめることもあります。

「みんなが学校に行っているのに、自分は行けない……」
「親を悲しませてしまっているのでは?」

こうした思いから罪悪感を抱え、自己肯定感が低下し、自分自身を否定する気持ちが強まってしまうことも少なくありません。その結果、「もう自分なんてダメだ」とあきらめの気持ちが増し、動き出すことがますます難しくなっていくお子さんもいます。

「学校に行ってほしい」と伝えるデメリット

親としては、「学校に行ってほしい」という気持ちを素直に伝えたくなるものです。しかし、伝え方を間違えると逆効果になってしまうこともあります。

(1) プレッシャーになり、逆効果
お子さんは「行かなきゃいけない」とすでに思っていることが多いです。そこに親御さんの言葉が加わると、さらに気持ちが重くなり、余計に動けなくなってしまいます。

(2) 親の期待に応えられず、自己肯定感が下がる
「親の期待に応えられない自分はダメだ」と感じてしまうと、学校に行くどころか、自信を失い、さらに動けなくなる可能性があります。

(3) 親子関係の悪化
お子さんが「親は自分の気持ちをわかってくれない」と感じると、家の中でも心を閉ざしてしまいます。結果として、親子のコミュニケーションが減り、さらに状況が悪化することもあります。

では、親はどのように接するのが良いのでしょうか?

代わりにどう接するべきか?

「学校に行ってほしい」と思うのは自然なことですが、お子さんの気持ちに寄り添いながら、一緒に次のステップを考えていけると安心につながるかもしれません。

(1)お子さんの気持ちを尊重する
まずは、「無理に行かなくてもいいよ」という考えを持ち、お子さんに寄り添うことが大切です。「学校に行く・行かない」は、あくまで一時的な状態にすぎません。それよりも、お子さんが「家族は自分を理解し、味方でいてくれる」と感じられる安心できる環境をつくることのほうが、はるかに重要です。

(2)家庭を安心できる場所にする
「学校に行かないとダメ」という雰囲気にならないよう、お子さんが安心できる言葉をかけることを意識すると良いかもしれません。例えば、
・一緒に好きなことをする時間を増やす
・リラックスできる会話を増やす
など、お子さんが落ち着いて過ごせる環境を整えることで、安心感につながることもあります。

(3)学校以外の選択肢を考える
今の時代、学校に行くことだけがすべてではありません。
・フリースクール
・オンライン学習
・家庭教師
・通信制高校
このように、さまざまな選択肢があります。「学校に行かない=人生が終わる」わけではないことを、お子さんにも伝えていきましょう。

(4)お子さんに未来への希望を持たせる
「学校に行かなくても、大人になれるし、仕事もできる」ということを伝えるのも大切です。例えば、
・学校に行かずに成功した人の例を紹介する
・「今の気持ちを大事にして、将来のことをゆっくり考えよう」と伝える
こうした声かけを意識すると、お子さんが前向きな気持ちになりやすくなります。

まとめ

親としては、「学校に行かせること」がゴールのように思えてしまうかもしれません。しかし、もっと大切なのは、「お子さんが安心して成長できる環境をつくること」です。

無理に学校に行かせるのではなく、まずはお子さんの気持ちに寄り添うこと。そして、学校以外の道もあることを一緒に考えていくことも、大切な選択肢のひとつです。

「大丈夫。あなたはあなたのペースで進めばいいよ。」

そう伝えてあげることが、何よりもお子さんの力になるのではないでしょうか。

私たちは、家庭教師やフリースクールの運営を通じて、お子さん一人ひとりに寄り添い、それぞれの状況に合ったサポートを行っています。
・「勉強が遅れてしまったけど、少しずつ取り戻したい」
・「学校に行けない間も、学ぶ習慣をつけたい」
・「自信を取り戻しながら、未来の選択肢を増やしたい」

そんな思いを持つお子さんやご家庭に、マンツーマンの指導を通じて寄り添い、学びのサポートをしています。もし、お子さんの学習面や今後の進路について、私たちがお力になれることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。


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