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初心者にもおすすめの山道、久住山にて。~登山ロク~
登るは大分、久住山(くじゅうさん)。
大分と阿蘇の火山群や、その周辺地域を指す、「くじゅう連山」において一角を成す名峰。その背丈は1,787mであり、周辺大地を広く見下ろす。また、日本百名山の一つに数えられている。
今回は、そんな山に登って来ました。
熊本県阿蘇市と、大分県別府市を結ぶ、「やまなみハイウェイ」を車で滑走し、登山道がある「牧ノ戸峠」へ到着。そこから登山をいざ開始!
前夜の台風が心配されましたが、翌朝には、すっかり過ぎ去っていました。残暑の気だるい暑さもなく、気候に関してはこれ絶好の登山日和。
是非とも、御峰の頂より周辺大地の雄大なるを、一望したかったのですが、それは能わず。
四方は白濁した雲に、身を潜めていました。
残念無念。
もし晴れていた場合は、このような絶景を拝めたようです。口惜しや。
それでも、山道の豊かな自然はさることながら、前日の雨で、宙を舞っている極最小の水滴の粒粒は、風に吹かれて頬を湿らせます。
マイナスイオンとやらを身体中に浴び、得も言われぬ心地よさを楽しむことができました。
アクティブレストとはよく言ったものです。体を動かしながら自然に触れることで、全身に溜まったモヤモヤとしたものが、霞が晴れるように霧散していきました。
久住山は、登山初心者にもおすすめです。何故なら登山初心者である僕が、比較的登るには平易な山だと思ったから。
とはいえ、当然山登りですから、ひょいひょいと猿のように登ることはできません。
息が上がる坂道や、足を取られそうな岩肌や、手を使って四足歩行にならないと、登れないところもしばしば。
しかし、一方で平坦な道が多いのです。
急な坂道で脚を虐め、なだらかな道で疲れを癒し、最後に再び石の転がる険しい道を歩く。
そんなコースになっています。
そのため、家族連れの登山客の方も多く見られました。ご高齢の方や、カップルでの登山も。
特に整備された登山道がある、牧ノ戸峠からのコースは人気です。シーズンになると登山客の車で、長蛇の列ができてしまうくらいだとか。
牧ノ戸峠からの登山コースの道なりはこのような流れです。
挑む者を初っ端から出迎える心臓破りの坂。
木のトンネル、きっとトトロがいるのね。
男の子心をくすぐる岩肌。
前を歩いていた、ご家族のお子さんが、フンフン言いながら登っていて大層癒されたそうな。
最後の試練! 岩石転がる険しき道。
そして、一時間以上の歩みの末——
山頂に着きました!
ただ、先に申した通り、この日は景色を拝むことができませんでした。
しかし、普段は天を覆う雲を下に見ることもまた一興。
そして、本日のメインイベントは、仲間と食べたいな! 山頂の上でカップ麺を!
山頂の上とは、また「頭痛が痛む」みたいなことを言ってしまいました。
とにかく僕は、絶勝の地にてカップ麺を啜ることを、この上なく楽しみにしていたのです!
何ならこのために登ったのだとすら言える。
心地よい疲労感と、溢れんばかりの達成感。
散々身体を苛め抜いた後に、ささやかなる自分へのご褒美。
その味はまさに悪魔的だ……!
もう辛抱ならん! がっついて幸せになろう!
愛用している、キャプテンスタッグのガスバーナーをセッティング!
本日は、カップヌードルBIGで完勝していくわね……!
……
……あれ?
鍋忘れた。
頭痛が痛むな。高山病か?
——そう、やってしまったのです。
湯を沸かすために最も重要な鍋、もといシェラカップを忘れてしまったのでした。
何とか、鍋がなくとも湯を沸かすことはできないか?
……そうだ! ペットボトルの水を直接バーナーで熱するのはどうか!
ほら、水を入れた紙皿は、下から火を当てても燃えない、という実験を小学校の理科でもやったじゃないか! 希望が見えたぞ!
早速Google先生に質問だ!
検索:「ペットボトル 水 火 直接」
とあるHP:「絶対にやめてください」
……あ、はい。
終了のゴングが、久住の高嶺に響き渡りました。さぞ哀しき音だったことでしょう。
僕は、カップ麵を諦めることにしました。苦渋の決断でした。久住だけに。
はい、というわけでですね。
幸いにも、仲間から食料の施しを賜り、命を繋ぎました。
助かりました。持つべきものは、鍋ではなく仲間です。
ただ、余裕があるならば、鍋も持つべきです。
ええ、この敗北を生かしてですね。また、次の戦いに備えて、また一歩ずつ成長していけたらなと思います。
とはいえ、こんな風にトラブルも一つの楽しみとして味わえるのも登山の魅力の一つ。
もちろん、思い通りにいくことに越したことはないのですが、良い語り草の一つにもなります。
カップ麵を食せずとも、なぜか塩味を感じた今回の久住山でしたが、それでも登山自体はとても楽しい時間となりました!
また機会があれば登りたいと思います。
次こそは、絶景のど真ん中で、勝利のゴングと共に、麵を啜る音を響かせてやるのであります。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
最後に、雲で景色が見えなかった山頂ですが、一瞬だけ雲間が切れ、下の光景が露わになった部分がありました!
こちらを挨拶代わりとさせていただきます。
登山は、本当に楽しいものです。登っている途中はきつくて、「何でこんな所に来てしまったのだ」という、登山口にて浮かれていた自分を呪うものです。しかし、登り切った時の達成感は、一度味わうとなかなか癖になります。
だからぜひ皆さんも、趣味に登山をおひとついかが?