「障害は個性」だと思いますか?
よく「障害は個性」だと語られます。
私は障害児2人の親として「障害は個性」だと思うことができません。ただ「障害は個性」と言ってくださる方々の望む社会と私の思い描く未来に大きな差があるとも思えません。
だからこそ、知っていただきたい私の思いがあります。中年の戯言だと思って、頭の片隅にでも置いておいてもらえたら嬉しいです。
個性って?
広辞苑では個性のことを「他人とは違う、その人にしかない性格・性質」だとされています。けれど「障害は個性」と語られるときの「個性」には、語る側の希望やポジティブなどの願いが込められているように思います。
けれど、娘を見ていると「個性があんなにも苦しいはずがない」。息子を見ていると「個性のせいで、あんなにも孤独になるのはなぜだろう」そう思ってしまうんです。
障害は苦しみを伴う
いい状態の娘と息子を見ると、笑っていることが多い。障害の有無に限りませんが、笑顔を見ると幸せそうに見えます。だから「障害」と「笑顔」を掛け合わせることで、風変わりだけで才能があるように見えるかもしれません。
けれど、その裏では精神薬を飲まなければ寝れなかったり、太鼓の音が怖くてパニックになって車の通りが多い国道に飛び出したりと言うことも多々あります。そして、不安が募って公共の場で奇声を上げることがあったりする。
そのせいで、周囲に怒られたり白い目で見られたりすることもあるんです。
「障害は個性」とは、温かい言葉である
「障害は個性」という言葉は温かいようでいて、当事者やその家族からするとそう思えないこともあります。
精神障害は見た目ではわかりづらい。見た目にわかりづらいから、障害の裏にある生きづらさはもっと見えにくく理解されない。理解しようともしてもらえない。
けれど、みんな分かってるはずです。障害🟰個性<大変であることを。なぜなら、障害は個性だと言う方々でさえ障害のある子を望む方はいません。個性的だからといって、自ら障害者になりたい方もいないはずです。
障害なんて、ないに越したことはないのです。
思想の自由
「障害は個性」だと思うかどうかは個々人の自由です。
ただ、まだまだ障害に対して理解の乏しい日本。まずは、障害が個性なのかどうか、多くを知らないままに答えを出さないでほしいと私は願います。まずは「障害」よりもその人が何に困っているのか、困っていないのかを知ってほしいと思います。そういう人たちが増えるといいなと思っています。
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明日4月2日〜4月8日は自閉症啓発週間。自閉症をはじめ様々な発達障害について理解を深めていただくことで、障害を抱える人だけでなく周りを取り巻く多くの人々が多様であることを認めながら暮らすことができるのではないでしょうか。