無印良品銀座にてイベント開催 その3
「大きい本の工房 hon ami」は、6/27と7/19の2回にわたり、
無印良品銀座にてイベントを行いました。
今回は第2回となる7/19のイベントについてご報告します。
イベント第2回は、「hon ami」第1作となる太田泰友さんのブックアート作品のお披露目の場となりました。
きっかけは、このnoteでも別枠で連載している「YUKIMASA IDA ART BOOK」の制作です。詳細はマガジン「世界にひとつの巨大スケッチブック」に譲るとして、ここでは簡単なご紹介を。
「YUKIMASA IDA ART BOOK」はその名の通り、
現代アート作家・井田幸昌さんのためにつくられたスケッチブックです。
奥付以外は真っ白なこの巨大な書籍は、
井田さんの筆が入ることによって数年後に新しい現代アート作品として生まれ変わる、というコンセプトで作られました。
hon ami サンプル3部作
このスケッチブックは、「hon ami」サンプル3部作を作った太田さんにとって4作目の大型本となるわけですが、完成のときに太田さんはかなり手ごたえを感じていたようです。
ちなみに、「hon ami」サンプル3部作はこちら。
実はこの3作、大きさだけでなく、すべて綴じ方も違うのです。
第1作は、A2判・角背・ホローバック(表紙と本文の間に空間ができる)・かがり綴じ。
ちなみに、第1作のかがり綴じの様子はこちらです。
完成品をわざと負荷のかかる形で保管してみたりしたのですが、
本が壊れることはありませんでした。
この第1作のときから、太田さんの緻密な造本設計と製本作業は成功していたのです。
赤い表紙の第2作は、B3判・丸背・タイトバック(表紙と本文が密着)・かがり綴じ。
この作品には、装飾として背バンドの意匠が施されています。
製本はかなり難易度が高い方法を試したとのことで、
けっこう苦労して作っていただきました。
そして、第3作はB2判で、ぶっこ抜きと呼ばれる綴じ方です。
それぞれ長所・短所があるのですが、
本のサイズや内容によって、さまざまな選択肢が出てきそうです。
「YUKIMASA IDA ART BOOK」は第3作と同様にB2判ですが、
ホローバックのかがり綴じで作られているので、
構造としては第1作に近い作りになっています。
過去3作での経験を踏まえて作られた「YUKIMASA IDA ART BOOK」は
太田さんにとって会心の出来栄えで、本当に美しい仕上がりでした。
太田さんご自身、「これは手放したくない」と思ったとのこと。
このスケッチブックの制作は太田さんご自身も大いに刺激を受けた、
とのことで、さらに進化した大型本を作ってみよう、ということになりました。
「hon ami vol.1」のプロジェクトはこうして始まったのです。
進化する大型本
イベント第1回のときには、
太田さんの中で作品の具体的なイメージがあったわけではありません。
第1回の内容もヒントにして制作に入りたいと考えていた太田さんは、
6/27のイベントを終えてから、第2回の7/19までの約3週間で、
新作を作り上げてくれました。
ついに迎えたイベント当日、
無印良品銀座の地下駐車場に到着した太田さんの車から、
作品を運び出すことに。
いきなり本ではないモノが登場しました。
でかい!
作品のパーツを慎重に車から降ろして会場へと運び、
司会の清水さんにも手伝っていただきながら、セッティングしていきます。
これすべて、太田さんの手作りです。
今回は大型本だけではなく、
この木枠も一体となってひとつの作品となるのです。
今回のイベントとhon amiのコンセプトにふさわしく、
「本」という概念を飛び越える作品が登場する予感がします。
今まさに、大型本は進化しているのです。
いよいよ書籍が登場しますが、
いったいどんな形になるのでしょうか。
次回、ご紹介します!