大きい本の工房 hon ami

日本印刷株式会社が立ち上げた、大型アートブックのレーベルです。 作家さんが魂を込めた作品を最高の形で書籍にしたい! という想いのもと、 一流の職人の方々と唯一無二の大型作品集を作り上げます。

大きい本の工房 hon ami

日本印刷株式会社が立ち上げた、大型アートブックのレーベルです。 作家さんが魂を込めた作品を最高の形で書籍にしたい! という想いのもと、 一流の職人の方々と唯一無二の大型作品集を作り上げます。

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無印良品銀座にてイベント開催 その1

「大きい本の工房 hon ami」がトークイベントを開催しました。 場所は、無印良品銀座店。 講師としてご登壇いただいたのは、 ブックアーティストの太田泰友さんです。 ブックアートってなに? 大型本とは? といったテーマで、太田さんに本作りの魅力についてお話しいただきました。 司会進行していただいたのは、「無印良品 くらしのラジオ」でパーソナリティーを務める清水洋平さんです。 イベントタイトルは「アートとしての本」。 全2回の構成で、第1回のテーマは「ブックアートと大きい

    • 無印良品銀座にてイベント開催 その4(最終回)

      さて、前回の続きにして無印良品銀座イベント報告の最終回です。 作品のセッティングが着々と進行しております。 木枠の空間の中に、大型本が設置されると思しき板が現れました。 板がワイヤーで吊られていきます。 そしてついに、大型本が登場しました! 空中に浮かぶこの大型本のタイトルは、 「Medium XIV - hon ami I」。 太田さんのブックアート「MEDIUM」シリーズの系譜に連なる大型作品です。 「medium」は、媒体・中間、といった意味を持つ英単語で

      • 無印良品銀座にてイベント開催 その3

        「大きい本の工房 hon ami」は、6/27と7/19の2回にわたり、 無印良品銀座にてイベントを行いました。 今回は第2回となる7/19のイベントについてご報告します。 イベント第2回は、「hon ami」第1作となる太田泰友さんのブックアート作品のお披露目の場となりました。 きっかけは、このnoteでも別枠で連載している「YUKIMASA IDA ART BOOK」の制作です。詳細はマガジン「世界にひとつの巨大スケッチブック」に譲るとして、ここでは簡単なご紹介を。

        • 世界にひとつの巨大スケッチブック -5-

          いよいよ最終回です! 一体にする いよいよ表紙と本文を合体させます。 見返しの部分に保護としてクラフト紙を貼り付けて、 本文と接合する準備をします。 表紙・本文、それぞれの背の部分にボンドを塗って、 両者をしっかりと固定します。 さらに細かい部分を貼り合わせていき、 しばらくの間、重しを置いておきます。 仕上げる スケッチブックの製本もついに最終段階です。 さらに反対側も同様に貼り付けて、 もう一度重しを置いて様子を見ます。 見返し部分にボンドを塗り、 重たい

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        無印良品銀座にてイベント開催 その1

        マガジン

        • 無印良品銀座にてイベント開催
          4本
        • 印刷会社がいどむ! 大型本出版プロジェクト
          4本
        • 世界にひとつの巨大スケッチブック
          5本

        記事

          世界にひとつの巨大スケッチブック -4-

          切って、削る 本文の形が仕上がったところで、いよいよ表紙の制作に入っていきます。 まずは芯材となる木材を加工するところから。 アトリエの外に出て、丸のこで木の板を切るところからスタートです! 寸法を測って、丸のこスタート! 本を作っているとは思えない光景ですが、 こうして、表紙の2枚と背の1枚、合計3枚の板が出来上がりました。 出来上がった板の側面をきれいに化粧していきます。 これで表紙の芯材の準備が整いました。 貼って、合わせる それでは、表紙と背をつなぎ合わせて

          世界にひとつの巨大スケッチブック -4-

          世界にひとつの巨大スケッチブック -3-

          背を固める 現代アート作家・井田幸昌さんのために、 ブックアーティストの太田泰友さんとつくりあげる世界にひとつの大型スケッチブック。 本文の形ができあがったので、続いては背を固めていきます。 木の板で挟んだ本文に重しを載せて、 太田さんがでんぷん糊を取り出しました。 まずはこの糊を、背の部分に塗っていくのです。 刷毛を使って何重にも塗布します。 塗り残しがないように、丁寧に丁寧に、塗っていきます。 背を固めるだけでもかなりの時間と労力がかかるのです。 ひと通り糊を塗り

          世界にひとつの巨大スケッチブック -3-

          無印良品銀座にてイベント開催 その2

          「大きい本の工房 hon ami」は、6/27に無印良品銀座にてイベントを行いました。そのご報告の第2弾です。 ブックアーティスト・太田泰友さんにご自身の2つの作品について解説していただいたのですが、1つ目の作品は「その1」でご紹介しましたので、ぜひお読みください! 2つ目の作品タイトルは「Die Forelle」。魚の「鱒」のドイツ語表記です。 題材となっているのは、フランツ・シューベルトの歌曲『鱒』の詩です。 (ちなみに、この詩を書いたのは18世紀の詩人であり音楽家

          無印良品銀座にてイベント開催 その2

          世界にひとつの巨大スケッチブック-2-

          ついにスタートした「YUKIMASA IDA ART BOOK」の制作。 舞台は長野県にある太田さんのアトリエです。 まずは、以前太田さんご自身が制作した「hon ami」サンプルのチェック。 普通の本とは違うので、いろいろと特殊な工程を踏む大型本。少し時間が経っているので、大型本の本としての構造を改めて確認します。 細かい部分を検証しつつ、いよいよ制作が始まります! 折って、綴じる 今回のスケッチブックのサイズは、B2と呼ばれる大きさです。 一般的には大きめのポスタ

          世界にひとつの巨大スケッチブック-2-

          世界にひとつの巨大スケッチブック -1-

          さて、ずいぶんと更新が滞ってしまいましたが、 「大きい本の工房 hon ami」の最初の作品についてご紹介です。 タイトルは、「YUKIMASA IDA ART BOOK」。 現代アート作家・井田幸昌さんのためにつくられた、 世界にひとつの大型スケッチブックです。 造本監修・製本を手がけたのは、ブックアーティスト・太田泰友さん。 表紙も本文も真っ白なこの巨大スケッチブックには、 これから何年もかけて井田さんの筆が入り、 やがて唯一無二のアートピースへと生まれ変わります。

          世界にひとつの巨大スケッチブック -1-

          <連載>大型本出版プロジェクト④「江戸時代の天才芸術家」

          国宝を目指して2023年7月某日 昼下がり。JR山手線・上野駅の公園改札口は行きかう人々でとてもにぎわっていました。かつてないほど猛暑が続いた今年の7月ですが、この日も頭上に巨大電気ストーブがあるかのごとく暴力的な陽射しを受けながら、私は東京国立博物館(東博)を目指して歩いていました。 お目当てはひとつの国宝です。恥ずかしながら私はこのとき、東博にはいつも国宝がずらりと並んでいるのだと思い込んでいて、この後に起きる悲劇は想像もしていませんでした。 美しい本館建物に入り、時

          <連載>大型本出版プロジェクト④「江戸時代の天才芸術家」

          <連載>大型本出版プロジェクト③「世界一美しい本をつくろう!」

          大型本にかける!社長の熱き想い2020年3月某日 さて、時間はまた少し巻き戻って、この企画がスタートした頃のことです。 大型本を指さして「これオモロイだろう!」と叫んだ社長ですが、 そこには思い付きだけではなく、本作りへの熱い想いも込められていたのです。 ここ数年、紙媒体、特に出版・商業印刷は少しずつ縮小しており、 世の中のデジタル化は加速する一方で、印刷物の減少傾向はこの先も続くと見られています。 日本印刷技術協会のサイトによると、 「印刷統計」の2004年調査開始以来

          <連載>大型本出版プロジェクト③「世界一美しい本をつくろう!」

          <連載>大型本出版プロジェクト②「SUMO BOOKがやってきた」

          巨大な段ボールで届いたド迫力のSUMO BOOK2020年10月某日 さて、銀座蔦屋書店で大型本を購入する決意をしたわけですが、 いろいろあって実際に購入したのは2020年10月です。 ちょっと時間を飛ばして、今回はそのときのお話をします。 経費云々のことを心配していましたが、社長は「是非買おう!」とかなり乗り気で、自身が銀座蔦屋書店に赴き、ドイツTASCHEN社が発行するデイヴィッド・ホックニーのSUMO BOOKを選んでくれました。 デイヴィッド・ホックニーは、193

          <連載>大型本出版プロジェクト②「SUMO BOOKがやってきた」

          <連載>大型本出版プロジェクト①「大型本って何だ!?」

          弊社のウェブメディア「soyogo」との連動企画として、noteでも大型本出版プロジェクトのご紹介を連載いたします。印刷会社の新規事業の内幕を、是非お楽しみください! 鶴の一声で大型本プロジェクト始動2020年3月某日 「これオモロイだろう!!」 NPC日本印刷株式会社の大型本企画は社長のこの一言から始まりました。 コロナウイルスが猛威を振るい始めた2020年春、 7月から新規事業部に所属することが決まった筆者が社長室に呼ばれたときのことです。 社長が指さす先には、見たこ

          <連載>大型本出版プロジェクト①「大型本って何だ!?」

          -4- 没入感に浸る特別な読書体験を

          hon amiの第1弾は大型写真集です。 写真という表現形態を素材として、 大型作品ならではの没入感を味わえるアートブックを作りあげます。 写真家が、ときに命をかけて撮影した、魂のこもった写真の数々を 最高品質の印刷と唯一無二の造本仕様の大型本で 楽しんでもらいたいと思います。 電子書籍では体感することのできない、 特別な読書体験が待っているはずです。 写真といっても様々なジャンルがありますが、 非日常の世界を本としてまとめあげたいという考えから、 まずは自然写真をテーマ

          -4- 没入感に浸る特別な読書体験を

          -3- アートとしての本

          hon ami では、本そのものもアートとして捉え、 本作りの可能性を追求します。 製本をご担当いただく方のひとりが、 ブックアーティストの太田泰友さんです。 太田さんは、ドイツにおけるブックアートの最高学位マイスターシューラー号を日本人として初めて取得し、現在はブック・アーティストとして日本でご活動されています。 国内外の美術館やアートギャラリーに作品が所蔵されており、 蔦屋書店や美術館で個展を開催されるなど、 「ブックアート」というジャンルで活躍の場を広げています。

          -3- アートとしての本

          -2- hon ami(ほんあみ)について

          日本の印刷・出版史を語るうえで欠かすことのできない出来事の一つに、 慶長13年(1608年)の『伊勢物語』の刊行が挙げられます。 「嵯峨本」と呼ばれる豪華本シリーズの先駆けとなった書籍です。 出版したのは、角倉素庵(すみのくら そあん)という京都の豪商で、 嵯峨本という名は京都の嵯峨野で印刷・出版活動が行われたことに由来します。 当時としては珍しく挿絵が入っており、 豪華絢爛な装丁も大きな特徴のひとつです。 『伊勢物語』は国文学書のため、 平仮名活字が使われたという点でも

          -2- hon ami(ほんあみ)について