ピリスの「即興曲」

シューベルトの

「4つの即興曲」

D899の第1曲を

「愛 アムール」の

映画で知ったとき、

僕の心は穏やかに

静かな響きを讃えた。


叙情豊かに弾いていた

ピアニストは

アレクサンドロ・タロー。

彼の音源を求めていたが

良いものが見つからず

がっかりしていると、

さらに素晴らしいものが

突然見つかった。


素敵なポルトガルの女性

マリア・ジョアン・ピリス。

彼女の弾く「即興曲」は

とてもとても素晴らしい。

特に第1曲の最初の和音を

強く響かせて消えてから

メロディを弾き始める。


可憐に咲く純白の百合。

優しく香り立ち部屋に漂い

酔いしれて恍惚となる

そんなピアノの音だった。

偶然巡り会った恋人のように

僕の心を包み込んだピリスの

「IMPROMPTUS」だった。