誰もが俳優である
フランソワーズ・サガンの
小説にあったと思うのだが、
「人は誰もが俳優である」
というセリフである。
父親が子供を叱るとき、
人は父親という役の
俳優になっているという。
だから子供は言うことを聞く。
恋人とデートしているとき、
自然に女は女優になり、
男は男優になっていると言う。
だから恋は燃え上がるのだ。
医者が患者を診るとき
医者の役を演じており、
看護婦は看護婦の役を
演じて患者に付き添う。
八百屋は八百屋の役をやり、
魚屋は魚屋の役をする。
床屋は床屋の役をやり、
蕎麦屋は蕎麦屋の役をしている。
誰もが自然に役者になっていて、
だからこそ、より上手に
自分の仕事や役割をこなせる。
言われてみれば
まさにその通りかも知れない。