ホトトギスの鳴き声
「トッキョキョカキョク」
ホトトギスが鳴いている。
その鳴き声は「特許許可局」と
やはりそんなふうに聞こえる。
「キョカキョカキョカキョカ」と
そこだけが繰り返されたりして
何を「許可」するかしないか、
迷いが吃音になっているようだ。
インドから中国を経て5月頃、
日本に渡来し秋に返ってしまう。
古くから日本人に親しまれ、
万葉集にも鳴き声が書かれている。
その時代には「田植えをしろ」と
鳴いていると聞こえたそうだ。
5月に飛んで来て田植えをせかせる。
そう思って聞くとなるほどそうなる。
庭の木に止まって鳴くこともある。
頭と背中は灰色、胸と腹は白、
翼と尾羽は黒色で30cmの体長だ。
カッコウに似た立派な野鳥である。
カッコウと同じように卵を
ウグイスなどの巣に産み付ける。
自分で育てず人に育てさせる、
無責任な調子のいい鳥である。
「鳴かぬなら殺してしまおう」と
織田信長は言ったそうだが、
本能寺の変で自害したときは
「テッペンカケタカ」と、
そう聞こえたかも知れない。