眠りのポーズ
ドミニク・アングルの絵画
〈奴隷のいるオダリスク〉は
眠る裸婦が描かれている。
オダリスクは王や皇族が
悦楽のために女性を囲った娼館。
よって裸婦は娼婦である。
裸の娼婦の眠る姿は
肌が白く滑らかで豊満、
優雅でけだるく妖艶である。
右腕を上げて肘を曲げ
顔に沿わせているが、
古代から続く眠りのポーズ。
この眠りのポーズは
古代ギリシャ神話の彫像
〈眠るアリアドネ〉の姿態。
ルネッサンスでは
ジョルジョーネの有名な
〈眠るヴィーナス〉もこのポーズ。
アレクサンドル・カバネルの
〈ヴィーナスの誕生〉も
右腕を上げ肘を曲げたポーズ。
シュールレアリズムの時代、
ジョルジュ・デ・キリコも
ポール・デヴォーもこのポーズ。
延々とどの時代においても
眠る女性の絵画はこの
〈眠りのポーズ〉をとっている。
娼婦もヴィーナスのようになる
魔法のポーズなのである。
現代の女性達に教えたい、
眠るときはこのポーズにせよと。