青娥書房の最新絵本『約束』とは?

創業50年以上の老舗出版社、「青娥書房」。
青娥とは眉墨で美しく描いた眉のこと、
眉目美しい顔の美人のことである。
哲学者で詩人であった串田孫一が名付けた。

渡辺淳一の小説『阿寒に果つ』の主人公、
早熟の画家で詩人だった加清純子の姉、
加清蘭子が創業者である出版社だった。
この歴史ある出版社を大学の友人が所有した。

彼が初めて発行人となった本が出版された。
江戸時代の心学者である柴田鳩翁が説いた
『鳩翁道話』を現代語訳したものである。
心の幸せをつかむ真の道案内書である。

次に彼が発行したのが『約束』なる絵本。
「まんが日本昔ばなし」の演出・作画をした
前田こうせいが生み出した渾身の一冊。
誰もが知る『桃太郎』のスピンオフだ。

山に芝刈りに行くおじいさんと川に洗濯に行く
おばあさんのもとに大きな桃が流れてくる。
桃から生まれた桃太郎は犬・猿・雉を従え
鬼ヶ島へ鬼退治へと向かい、鬼をやっつけたが。

鬼の親分は密かに桃太郎を食べようと待ち構えたが、
桃太郎からきびだんごをもらって涙をこぼして改心。
桃太郎は桃から生まれる前に山の神様に約束していた。
安らかで静かな平和な世の中をもたらすということを。
その山は人々の平和な暮らしを見守る富士山だった……。


*『約束』は書店及びamazonや楽天ブックスなどで予約受付中。